2000 Fiscal Year Annual Research Report
腸管上皮リンパ球が腸管粘膜透過性に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
12671278
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
臼井 規朗 近畿大学, 医学部, 講師 (30273626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大柳 治正 近畿大学, 医学部, 教授 (00030958)
窪田 昭男 近畿大学, 医学部, 講師 (10161671)
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Keywords | 腸管上皮内リンパ球 / 腸管免疫 / 腸管粘膜透過性 / Caco-2 / co-culture / 上皮間電気抵抗 |
Research Abstract |
Caco-2細胞株を購入し、継体培養を行いながら細胞株を維持し、直径6.5mmのトランズウェルと呼ばれる2-chamber systemにおいて、前もってコラーゲン処理を行い、3μm孔のフィルターの裏面に1×10^5個のCaco-2細胞を播種して単層培養を行った。反復して培養することによって、培養開始後約10日目には、本研究申請により購入した上皮間電気抵抗測定装置(EVOM)を用いて測定した上皮間電気抵抗が200-300Ω・cm2程度に安定して上昇するようになった。このことは単層培養された腸上皮が十分分化発育し、Tight junctionが発達したことを意味すると考えられる。 そこで分化が完成したと考えられる2週間目に、腸上皮より採取した以下に述べる腸管関連リンパ球(GALT=Gut Associated Lymphoid Tissue)を添加することとした。腸管関連リンパ球は、当初BALB/cマウスよりの採取を予定していたが、量的に十分得られない可能性もあるため、現在はWistar ratを用いて採取を行っている。将来的には、抗体等の都合により、再度BALB/cマウスに変更する可能性もある。採取するリンパ球は、1)パイエル板より採取したもの=PPL、2)粘膜上皮内から採取したもの=IEL、3)粘膜固有層より採取したもの=LPL、4)末梢血内のリンパ球=PBLを選択した。preliminalyな実験より、炎症性刺激を加えない場合、1匹のラットよりPPL、IEL、LPL、PBLはそれぞれ6×10^6、1×10^6、1×10^7、5×10^7個程度採取可能であることが明らかとなった。 そこで現在preliminalyな実験として、上記の分化した単層培養Caco-2細胞とPPL、IEL、LPL、PBLなどのco-cultureを行い始めている。 1)上皮間電気抵抗の値の変化 2)FITC標識ラテックスビーズのtranscytosisの程度について測定を行っているが、現在まで非刺激状態のラットを用いた実験においては、電気抵抗やtranscytosisが変化するco-cultureの条件は得られていない。 今後co-cultureを行うリンパ球の数、co-cultureの期間などを変化させて、最も効果的な条件を検索したうえで、リンパ球を採取する前に 1)回盲部結紮穿刺や 2)インドメタシン投与による腸炎などの炎症状態の腸管を用いて、種々の条件の腸管粘膜透過性が受ける影響を検討する予定である。
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