2000 Fiscal Year Annual Research Report
異種心臓移殖における超急性期アポトーシス免疫学的解明と生着期間延長の試み
Project/Area Number |
12671293
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
横山 斉 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80282127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 隆志 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30274955)
佐戸川 弘之 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70226025)
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Keywords | 心臓移殖 / 異種移殖 / アポトーシス |
Research Abstract |
平成12年度は異種心臓移植(ハムスターからラット)における拒絶反応の病理学的所見、浸潤細胞の同定、およびアポトーシス関連蛋白の経時的発現を明らかにし、アポトーシスと拒絶反応の関係を検討することを目的とした。そのために、Golden Syrian Hamsterをドナー、Lewis Ratをレシピエントとし異所性異種心移植モデルを作成した。移植後0、4、8、24、48時間に移植心を摘出し、HE染色、TUNEL染色、抗Fas抗原抗体による免疫染色を行った。Hematoxylin-Eosin染色においては、4〜8時間後の標本に大きな形態的変化は認めなかった。24時間後より血管周囲に多核球様の炎症性細胞の浸潤を認めはじめ、48時間後には特に心外膜下及び心内膜下の心筋に巣状に浸潤していた。リンパ球の浸潤は全経過を通してわずかに認めたのみだった。48時間後には心筋細胞の壊死像を多数認めた。4〜48時間までの標本に血栓を伴った血管炎は認めなかった。HE染色では移植後24時間まで心筋障害は軽度であった。移植後24時間より血管周囲に炎症性細胞侵潤を認め、移植後48時間では心外膜下及心内膜下の心筋に強く侵潤していた。リンパ球の侵潤は全経過を通じてわずかであった。TUNEL染色においては、移植後4時間から48時間まで心内膜、血管内皮細胞核が陽性であった。Fasに関しては、移植後4時間から8時間まで心内膜、血管内皮細胞核がFas陽性で移植後8時間以降は免疫反応は減少した。以上より、concordant異種移植では、浸潤細胞が多核球主体である点で、同種移植と大きく異なっていた。異種心移植における拒絶反応では形態的変化が認められる以前にFas抗原によるアポトーシスが心内膜、血管内皮で進行していると考えられ、アポトーシス抑制により拒絶反応が抑制される可能性が示唆された。
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