2001 Fiscal Year Annual Research Report
チアノーゼ心筋におけるエンドセリン受容体拮抗薬の心筋保護効果
Project/Area Number |
12671308
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石野 幸三 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90314690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 俊二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50235438)
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Keywords | チアノーゼモデルラットの心機能 / 心臓超音波検査 / 左室拡張能 |
Research Abstract |
8週令のWistar系雄性ラットをFiO2=10%にコントロールしたhypoxic chamber内で8週問飼育したChronic Hypoxic Rat(H群;n=7)と、通常のroom airで飼育した同週令のNormoxic Rat(N群;n=8)を対象とし、チアノーゼモデルラットの心機能を心臓超音波検査で評価した。麻酔はketamine(50mg/kg)とxylazine(10mg/kg)の腹腔内投与で行った。心機能はアロカ社製フルデジタル超音波診断装置SSD-5500と電子リニア探触子UST-5545を用いて評価した。また心臓超音波検査終了後、動脈血採血と心臓及び肺を摘出し、湿重量を測定した。H群はN群と比較して、動脈血酸素飽和度は82±3(N群:98±0.1)%と低下し、Hct.61±3(47±1)%と多血症を認めた。また右室/左室の湿重量比は0.39±0.06(0.25±0.03)と右室肥大を呈していた。心臓超音波検査では、右室流出血流のpeak velocity 0.75±0.05(0.99±0.05)m/s、AcT/ET 0.33±0.03(0.43±0.04)と肺高血圧の所見を呈していた。左室収縮能は%FS 41±6(44±5)、mVcf 5.0±0.5(5.5±1.1)circ/sと差を認めなかったが、左室流入血流は、E/A 4.2±1.5(1.8±0.3)及びE Deceleration 28±7(17±2)m/s2とrestrictive patternを示し、左室拡張能は低下していた。さらに肺湿重量/体重比も4.93±0.44(3.75±0.16)mg/gと差を認めた。Chronic Hypoxic Ratでは、肺高血圧と右室肥大を呈し、その左室機能は、収縮能は維持されているが、拡張能は障害されていた。慢性的な低酸素状態では、左室機能が低下することが明らかとなった。
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