2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671309
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
青江 基 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (80260660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 洋至 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (60252962)
安藤 陽夫 岡山大学, 医学部, 助教授 (70222776)
清水 信義 岡山大学, 医学部, 教授 (90108150)
永広 格 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (00311803)
佐野 由文 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (60322228)
|
Keywords | 人工肺 / 膜型肺 / 臓器置換 / 胸腔内 / 呼吸補助 |
Research Abstract |
臓器移植法が施行されているなか、医学的理由により、脳死肺移植が少ない。また、移植適応外の慢性呼吸不全患者も多く、これに対して人工肺を使って呼吸補助としたい、というのが研究目的である。 現在、臨床応用されている人工肺は圧力損失が大きく、ポンプを含めた大掛かりな装置が必要となる。我々は右心室の駆出力のみで環流可能な低圧損の人工肺を開発中である。 圧力損失の原因は、第一に血液が中空糸束を通る際に生ずる圧力損失、第二に拍動流が中空糸束にぶつかった際に生ずる圧力の上昇である。第一の原因に対して、水実験および東京電機大学 舟久保研究室によるコンピューターシュミレーションをもとに中空糸束の繊維本数より繊維密度を下げた方が圧力損失が低下することを示した。 第二の原因に対しては、流入側の容積を増加させ、かつ血流を中空糸束に対して斜めから当てることで、圧の上昇を防いだ。また回路による抵抗を減少させるために回路径を肺動脈弁口径とほぼ同程度とした。 以上の改良を行った人工肺を15±1Kgの豚を使い、主肺動脈-左心房間への植え込み実験を行った。主肺動脈、左心房と人工肺は人工血管で接続させ、吻合部の末梢側をクランプし、全置換による6時間の急性期実験を行った。この実験で 右心室収縮期圧は23-28mmHg、同平均圧は10-15mmHgを推移した。ガス交換能も良好で、PaO2は217.9-93.7mmHg、PaCO2は34.4-43.6mmHgを推移した。 循環動態、ガス交換能とも良好であり、植込み型人工肺のprototypeとなり得ると考える。さらに改良を加え、慢性期実験 実験動物の大型化 臨床応用で想定される片肺置換実験へ発展させる予定である。
|