2001 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患に対するin situグラフトとしての肋間動脈使用の有用性の検討
Project/Area Number |
12671313
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中田 達広 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (40260690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 良宏 愛媛大学, 医学部, 助手 (90218545)
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Keywords | 肋間動脈 / 冠状動脈バイパス術 / 動脈グラフト / 虚血性心疾患 |
Research Abstract |
昨年の実験,研究の反省点として 1.ブタ実験では肋間動脈は細計すぎて血管そのものをskeltonizeして採取することはきわめて困難なことが挙げられた. また本年度の方針として手術時開胸手術の際の人体の肋間動脈の観察を計画した. ・グラフトとして必要な血流量が得られるか ・吻合可能な血管径があるか 1.について今回は肋間筋共々pedicleとして採取することで肋間動脈を採取し,肋間動脈の流量の測定,グラフトとして利用できないかを検討した. 20kgのブタを用い実験した.全身麻酔下に胸骨正中切開した。前年度の実験で肋間動脈のみを剥離する方法は開胸操作を加えるなど術野確保という点では困難を要したが,pedicleで採取することは正中切開のみで可能であった.左第5肋間筋を肋骨から電気メスを用い切離し流量を測定しようと試みfree flowの測定を試みたが動脈性の噴出得られず,流量もにじみ出す程度であったため不能であった. 2.について開胸手術の開胸肋間の肋間動脈形態の観察,血流量の測定を試みた. 開胸肋間の肋間動脈は元々犠牲にされる血管であり結紮前の血流量測定等は倫理的な問題はないと考え,且つ患者には十分なinformed consentを行い同意を得た.(2名) 開胸直後に開胸肋間(2例とも第4肋間)の中枢側の大動脈椎骨左縁より15cmの部位で肋間動脈を剥離し,この部位での人体の肋間動脈は0.5mm以下であった.この径は冠状動脈グラフトとしてはかなり細径であり吻合は困難であろう事が予想された.この部位は心に到達できる最短であろうと思われる距離を確保できる部位でありこれより末梢側は益々径が細くなっていくことを考えると,このまま肋間動脈をin situグラフトとして用いる事は不可能であろうと思われた.最初に電磁血流計を用い血流量を測定したが,測定不能なため,続いて肋間動脈を切離しfree flowを測定しようとしたが攣縮するためか噴出するflowは得られず測定できなかった. 1.,2.共に今後実験を続けて行くには血管径が細く十分な血流量が得難いという結論であった.
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