2000 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学技術を用いた骨髄幹細胞包埋型ハイブリッド小口径人工血管の開発
Project/Area Number |
12671323
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 伸一 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30178735)
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Keywords | 組織工学 / ティッシュエンジリアニング / 骨髄幹細胞 / コラーゲン / 人工血管 / 多層性 / ハイブリッド臓器 |
Research Abstract |
骨髄幹細胞とI型コラーゲン溶液を用いて、プロトタイプの小口径ハイブリッド人工血管を作製した。円筒型鋳型(内径3mm、外径9mm、長さ65mm)をガラス管、ラバーストッパーを用いて作製した。骨髄をNew Zealand White Rabbitの大腿骨より採取した後、これを培養して骨髄幹細胞浮遊液を得た。骨髄幹細胞浮遊液とI型コラーゲン溶液を氷冷下に混合攪拌し、この混合溶液をあらかじめ作製しておいた円筒型鋳型に注入した。37℃、30分加温後、脆弱で透明な円筒状ゲルが作製出来た。これを日間培養した。円筒状ゲルは経時的に収縮し白色不透明となり窃子で十分把持可能な強度を備えた円筒状組織体が作製できた(下図)。組織学的検索では、骨髄細胞は組織体内で増殖分化し円周状に配向していた。耐圧試験では80mmHgまで組織体は破裂しなかった。十分な力学的強度を獲得するには多層式構造の導入が必要と考えられた。 多層式骨髄幹細胞包埋型ハイブリッド人工血管の作製、及び最適化条件の検証 New Zealand White Rabbitの大腿骨より採取した骨髄を培養し骨髄幹細胞を得る。これとI型コラーゲン溶液を氷冷下に混合攪拌し、この混合溶液をあらかじめ作製しておいたガラス管、ラバーストッパーよりなる円筒型鋳型に注入し、37℃、30分加温し、円筒状ゲルを作製する。培養3日後、2層目を作製するために同混合液を再度注入し2層式ハイブリッド人工血管を作製する。作製した骨髄幹細胞包埋人工血管の組織学的評価(光顕、電顕レベル)、耐圧試験等力学的特性の評価を行い、至適作製条件(多層性、包埋する細胞数、コラーゲン濃度、培養期間等の培養条件)を追求し、改良を加え開発を進める。
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