2000 Fiscal Year Annual Research Report
小口径動脈グラフトによる冠動脈側側吻合の有効性を実証するための理論的・実験的研究
Project/Area Number |
12671332
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
新浪 博 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30241079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 光生 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90132927)
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Keywords | 冠動脈バイパス手術 / 小口径動脈グラフト / 側側吻合 / 端側吻合 / 圧力損失 / 内胸動脈 / 心臓外科 |
Research Abstract |
グラフト径2mm,冠動脈径3mmの設定で側側吻合及び端側吻合したシリコンモデルを作製し,定常流下において圧力及び流量を測定し,水力学的な見地から比較検討を行った.側側吻合モデルは,吻合角0゜で作製し,サージカルクリップを横置きにした.また端側吻合モデルは吻合角45゜のモデルを作成後,強制的に0°にした.狭窄位置は吻合部から20mmの距離をとり,完全閉塞とした.シリコンチューブを用いた回路は定常流で生理食塩水を作動流体とし,前負荷を100mmHg,流量を10mL/min刻みで120mL/minまで変化させ,その際のグラフト流入部及び吻合部より遠位側の冠動脈の圧力をマノメーターにより計測した.100mL/min時の圧較差は端側吻合で3.73mmHg,側側吻合で2.51mmHgとなり,側側吻合は端側吻合に比較すると33%低値を示した.さらに100mL/min時の圧力損失係数を算出すると端側吻合では0.050,側側吻合では0.037と側側吻合で26%低値を示した.このモデル実験より側側吻合の形状は端側吻合より圧力損失を抑制することがわかった.さらに現在カーブしたクリップを湾曲の程度を3タイプ設計して注文製作中で,出来次第,側側吻合をこのクリップを用いて通常のクリップと定常流によるモデル実験により比較する予定である.モデル実験と並行して,今回購入したリアルタイム血流量計を用いて左内胸動脈を左前下行枝に用いた冠動脈バイパスの術中流量及び波形を25例の患者からコンピューターにinputした.このデータを拍動流モデルの条件設定に利用して拍動流実験を設定中である.
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