2001 Fiscal Year Annual Research Report
損傷中枢神経組織におけるストレス応答メカニズムの検討―microgliaの反応を中心に―
Project/Area Number |
12671341
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山浦 晶 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40009717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 岩男 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (90241968)
佐伯 直勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30143275)
村井 尚之 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (80241967)
岩立 康男 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70272309)
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Keywords | traumatic brain injury / microglia / astroglia / immunotoxin / neuron |
Research Abstract |
(目的)損傷を受けた中枢神経組織の反応の中で今回は特にmicrogliaに着目した。脳外傷作成時にimmunotoxin(IT)法によりmicrogliaを選択的に除去し、その後の神経損傷やastroglia反応への影響を観察することで、脳外傷下のmicrogliaの役割を推測した。(方法)C57BL6mouseの左側背側海馬歯状回に定位的針損傷を作成すると同時に、monocyte/microglia特異的IT/anti-Macl-SAPORIN(Chemikon)100ngを注入した。外傷作成24・72時間後、7日後(各6匹)のパラフィン脳切片に、monocyte/microglia特異的なF4/80抗体、astroglia特異的なGFAP抗体、neuron特異的なNeu-N抗体による免疫染色を施した。(結果)IT投与群においてF4/80陽性activated microgliaは24時間後には観察されないことを確認した。Neu-N陽性神経細胞数は、IT非投与群において72時間後に有意に減少したが、7日後にはIT投与群においても減少し、両群間で神経損傷に有意差はなかった。また、IT非投与群では投与群に比べ針穿通部位におけるastrogliosisが早期に出現し、その程度も強かった。(結論)脳損傷時神経細胞に対し、保護的/攻撃的2面性を持つとされるmicrogliaは、脳穿通外傷時にはscavengerとしての攻撃的役割が優越していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)