2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠芽腫における各種遺伝子異常の統計的解析と選択的治療法の確立-遺伝子異常検出用の簡易アレイシステムの開発-
Project/Area Number |
12671345
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
林 裕 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (90262568)
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Keywords | malignant astrocytoma / brain tumor / gene alteration / genetic instability |
Research Abstract |
我々は当教室に保存されている脳腫瘍標本より、約150例のDNAを抽出し、DNAバンクを設立した。DNA数に関しては今後も増加予定である。またパラフィンより抽出された各DNAがどれくらいの精度を有し、どのような酵素反応に適しているかに関してもPCR反応を含め、様々な実験により確認している。 これらのDNAを利用し、神経膠芽腫および悪性リンパ腫の代表的な遺伝子異常に関してDNA解析中である。たとえば神経膠芽腫に関しては約60例の腫瘍サンプルより得られたDNAを用いて特殊な遺伝子増幅を検討中である。その中でも、デコイレセプター遺伝子(DcR3)に関しては神経膠芽腫の約20%に遺伝子増幅を認めた(投稿中)。また約20例の悪性リンパ腫においては悪性腫瘍に多く認められるTP53遺伝子やMDM2遺伝子の異常は認められず、INK4a/ARF遺伝子の欠失を認め、予後との相関を示した(投稿中)。 今後はされにこれらの遺伝子異常を他の悪性脳腫瘍にて検討すると同時にDNAマイクロアレイを用いて今回の結果を検証することによりアレイの信頼性を確認し、更なる規模の大きな遺伝子異常のスクリーニングスタディを行う予定である。
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