2002 Fiscal Year Annual Research Report
新遺伝子RFTの脳腫瘍悪性化機構の解明並びに分子標的としての治療法と診断法の開発
Project/Area Number |
12671355
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 潤 京都大学, 医学研究科, 講師 (80252435)
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Keywords | グリオーマ / FGF-2 / RFT |
Research Abstract |
目的:fibroblast growth factor-2(FGF-2)の転写を抑制する転写因子としてクローニングされたRFT遺伝子の各isoformを定量し脳腫瘍の悪性度との相関並びに各isformの発現調節のメカニズムを解明することにより、グリオーマの発生並びに悪性化のメカニズムを考察する。 方法・結果:RFT遺伝子にはdifferential splicingによりWA-form, A'form, B formの三種類が存在している。しかしながら、FGF-2の転写を抑制するのはWA formのみであり、あんらかのシグナルによりsplicingが制御され、脳腫瘍においてFGF-2を高発現しているものと推測される。そこで、Real-time PCRを用いたhybriprobe法により各isoformの定量化が可能となるシステムを作成した。また、腫瘍細胞において各isoformを定量した。脳腫瘍細胞株ではWA:A':B=0:3:1、非脳腫瘍細胞ではWA:A':B=1:3:1であった。また、正常人ならびにU251MGによりRFT遺伝子のゲノムをクローニングし、differential splicingの有無について検討した。 結論:脳腫瘍においてRFT遺伝子はdifferential splicingによりWA formの発現が抑制されており、FGF-2の無秩序な高発現をもたらし悪性化に関与している可能性が示唆された。そのメカニズムをさらに解明することにより、新たな治療法の開発につながるものと考える。
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