2000 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルスベクターによる悪性脳腫瘍遺伝子治療の研究
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12671359
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小野 恭裕 岡山大学, 医学部, 助手 (40294409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田宮 隆 岡山大学, 医学部, 助教授 (50252953)
松本 健五 岡山大学, 医学部, 助教授 (10190521)
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Keywords | 脳腫瘍 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / シトシンデアミナーゼ / ウラシルホスホリボシルトランスフェラーゼ / 5-フルオロシトシン / 5-フルオロウラシル |
Research Abstract |
アデノウイルスベクターは高効率で遺伝子導入ができる方法の一つで、遺伝子治療の分野において研究のみならず臨床でも使用されるようになってきた。我々はこのアデノウイルスベクター用いて悪性脳腫瘍に対する遺伝子治療の試みを行ってきた。また一方で種々のsuicide gene therapyを試みた結果、cytosine deaminase(CD)遺伝子の導入と5-fluorocytosine(5-FC)の全身投与が最も有効であると考えられた。他臓器腫瘍でもこの組み合わせの有効性が多数報告されている。しかし今回の動物実験結果ではCD/5-FC療法は抗腫瘍効果は高かったものの、周囲正常脳に対する毒性が強く、これを軽減する目的で次の実験を行った。 着目したのはuracil phosphoribosyltransferase(UPRT)で、本酵素は5-FUをFUMPへ変換する活性を持っており5-FCをさらに効率的にactive metaboliteに変換することが予想された。In vitro実験ではCDとUPRTの両遺伝子の導入で親細胞に比べ数千倍の5-FC感受性を示した。このdataをもとにラット脳腫瘍実験を行った結果、より少ないベクターの投与で十分な抗腫瘍効果を示し、周囲正常脳に対する毒性も軽減され、本方法の有効性が示唆された。なおこれらの詳細な結果は誌上掲載されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tomotsugu Ichikawa et al.: "In vivo efficacy and toxicity of 5-fluorocytosine/cytosine deaminase gene therapy for malignant gliomas mediated by adenovirus"Cancer Gene Therapy. 7(1). 74-82 (2000)
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[Publications] Yoshiaki Adachi et al.: "Experimental gene therapy for brain tumors using adenovirus-mediated transfer of cytosine deaminase gene and uracil phosphoribosyltransferase gene with 5-FC"Human Gene Therapy. 11(1). 77-89 (2000)
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[Publications] Shinichiro,Mizumatsu et al.: "Intrathecal chemotherapy with MX2 for treating glioma dissemination in vivo"Journal of Neuro-Oncology. 49. 41-47 (2000)