慢性関節リウマチにおける自己分泌型運動因子(AMF)発現機構の解析

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12671394
• Research Institution: Gunma University
• Principal Investigator: 竹内 公彦 群馬大学, 医学部, 助手 (20302466)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高岸 憲二 群馬大学, 医学部, 教授 (70154763) ; 渡辺 秀臣 群馬大学, 医学部, 講師 (40231724)
• Keywords: 慢性関節リウマチ / AMF / gp78 / Gc-4 PF細胞 / 抗gp78抗体 / 関節液 / 滑膜 / 白血球

Research Abstract

1)各種関節炎におけるGc-4PF細胞の運動能の発現
Gc-4PF細胞の細胞運動能はRA関節液、血清ともに増強した。その増強の程度は関節液の方が血清に比べ勝っていた。RA以外の関節疾患について検討すると変形性関節症の関節液は、Gc-4PF細胞の細胞運動能を増強させたが、血清は運動能の増強に寄与しなかった。外傷後水腫症の膝関節液は、Gc-4PF細胞の運動能を著明に増強させた。
各種関節液で増強の認められた運動活性が、AMFを介する運動であるか否かをウェスタンブロット法を用いて解析した。RA関節液は、AMFの細胞受容体であるgp78に対するモノクロナール抗体、抗gp78抗体に対して濃度依存的に阻害するためAMFとしての性格を持った分子と考えられた。しかしながらOA関節液は阻害されず、AMF以外の分子種の可能性が示唆された。血清についても同様であり、RA血清は抗gp78抗体と競合阻害するが、OA血清には認められず分子種の相違が指摘された。(9th Asia Pacific League of Association for Rheumatology Congress 2000年にて公表)
2)RA末梢血液及び関節滑膜中におけるgp78の発現
RA患者の末梢血から白血球を単離し、核外タンパクを抽出して抗gp78抗体と反応させ、ウェスタンブロット法にて解析した結果、RA患者白血球にgp78の発現を確認した。さらにin vivoにおいて、RA患者より採取した滑膜切片を使用し、抗gp78抗体を用いて免疫組織染色することにより6例中3例の滑膜組織にgp78の発現を認めた。(第8回日本リウマチ学会関東地方会にて公表)