2000 Fiscal Year Annual Research Report
関節炎疾患における関節破壊機序の解明とその予防-細胞蛋白及び遺伝子レベルでの解析
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12671415
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 齋 神戸大学, 医学部, 教授 (30107958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 総一郎 神戸大学, 医学部, 助教授 (80238360)
佐浦 隆一 神戸大学, 医学部, 助教授 (10252769)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / パンヌス / 細胞接着分子 / 関節破壊 / VLA抗原 / インテグリン / マトリックスメタロプロテアーゼ / 免疫組織学的手法 |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(RA)ではサイトカインにより活性化された滑膜組織(パンヌス)が関節軟骨に浸潤するが、このパンヌスの浸潤メカニズムとして細胞接着分子の関与が非常に大きい。これまで我々は、関節軟骨と培養RA滑膜細胞の接着が、FibronectinやI型、II型あるいはIV型collagenなどと細胞接着分子を介した細胞/基質間相互反応により亢進することを明らかにした。そこで今回、免疫組織学的手法を用いてRAのパンヌス形成に関与する接着分子を検討する目的でRA患者より外科的に採取した滑膜および軟骨組織を抗VLA-4(α4β1 integrin)およびVLA-5(α5β1 integrin)抗体で染色し局在を調べた。また、軟骨破壊に重要な役割を演じているコラゲナーゼ(Matrix metalloproteinase-1;MMP-1)、ストロメリシン(MMP-3)あるいはTissue inhibitor of metalloproteinase(TIMP-1)の局在も検討した。 その結果、VLA-4およびVLA-5ともにパンヌス/軟骨境界部に浸潤している細胞表面に局在していることが明らかとなった。また、パンヌス浸潤部位の関節軟骨細胞表面にもVLA-4およびVLA-5の強い局在が認められ、パンヌスの浸潤過程におけるこれら接着分子のligandであるFibronectinとの細胞/基質間相互反応の存在が示唆された。さらにTIMP-1の染色性が低下し、MMP-1あるいはMMP-3がパンヌス/軟骨境界部およびパンヌス浸潤部位の関節軟骨細胞に強く染色されたことから、VLA-4およびVLA-5はFibronectinを介して細胞を活性化し、MMP-1あるいはMMP-3の産生を促進することによりRA関節炎で観察されるパンヌスの浸潤において重要な役割を演じている可能性が大きいと考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hitoshi Ishikawa, et al.: "Beta Integlins (α4β1, α5β1) and Matrix Metalloproteinases Expression in Synovial Pannus Formation in Rheumatoid Arthritis."Bulletin of Health Science Kobe. 16. 21-30 (2000)