2002 Fiscal Year Annual Research Report
関節軟骨欠損部の修復過程における遺伝子発現-関節軟骨発生過程との比較-
Project/Area Number |
12671416
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
河崎 賢三 島根医科大学, 医学部, 助手 (20335558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 潤二 島根医科大学, 医学部, 助手 (20294382)
安達 伸生 広島大学, 医学部附属病院, 医員 (30294383)
越智 光夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70177244)
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Keywords | 家兎 / 関節軟骨 / 滑膜 / コンドロイチン硫酸 / コンドロイチン6硫酸化酵素 / コンドロイチン4硫酸化酵素 / 膝関節 / 成長過程 |
Research Abstract |
昨年度は家兎関節症モデルおよび関節軟骨欠損再生モデルにて変性および再生した軟骨組織中のコンドロイチン硫酸(CS)異性体(コンドロイチン6硫酸:C6Sおよびコンドロイチン4硫酸:C4S)比とコンドロイチン6硫酸化酵素(C6ST)のmRNA発現との関連性について明らかした.本年度はコンドロイチン4硫酸化酵素(C4ST)の発現とその異性体比についても検討を加えた.方法として日本白色家兎を用いて関節症群,骨軟骨欠損修復群,Sham群および何ら処置を施してない正常群の4群を作製した.術後1,3カ月の時点でC6SおよびC4Sをそれぞれ定量し,異性体比を算出するとともに,変性および修復軟骨内のC6ST及びC4ST mRNAの発現量を半定量PCRにて求めた.その結果,関節症群ではCS量は術後1カ月ではいったん増加したが,術後3カ月では低下した.異性体比はそれぞれ1.9,1.3と経時的に減少し,C6ST mRNAの発現量も経時的に低下したがC4STの発現は亢進した.修復群のCS量は術後1カ月では平均34.5mmol/mg,術後3カ月では平均45.8mmol/mgと増加傾向にあり,C6STおよびC4ST mRNAの発現量も経時的に増加した.Sham群および正常群ではCS量および異性体比およびにC6ST mRNAの発現量に経時的な変化は認めなかった.今回の結果から関節軟骨の変性とともにC6STの発現が低下しC4STの発現が亢進するのに伴い,異性体比が低下することが明らかとなった.以上の結果からC4STは組織変性や修復過程において,細胞の増殖,集ぞくに影響する酵素と考えられた.さらにC6STは関節軟骨の成熟に重要な役割を演じていることが示唆された.組織修復の段階にて何らかの方法でまずはC4STの発現を亢進させ細胞増殖・集族を促進させ,さらにC6STの発現を亢進させることが可能であれば,軟骨内のCS組成比が亢進し,正常なものへと近づくことでより良好な軟骨修復が可能になると考えられる.また,これら2つの酵素は軟骨組織再生において如何なる状況下にあたるのかを理解する上での重要なマーカーになりうる可能性が考えられた.
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