2001 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性慢性関節疾患における軟骨損傷に対する骨膜細胞を用いた軟骨再生-AAVベクターによる遺伝子導入法を用いて-
Project/Area Number |
12671432
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Research Institution | Department of Orthpaedic Surgery, Yokohama city university |
Principal Investigator |
河合 孝誠 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (00264656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
忻 克勤 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40301452)
小澤 敬也 自治医科大学, 医学部, 教授 (30137707)
斎藤 知行 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30170517)
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Keywords | 骨膜細胞 / 軟骨修復 / アデノ随伴ウイルスベクター / TGF-B / LacZ |
Research Abstract |
本実験の目的は、培養骨膜細胞に遺伝子導入を行い、さらに軟骨欠損部へ移植することにより軟骨修復を賦みることである。今回我々が遺伝子導入に使用するAAVベクターは整形外科領域において最近注目されているが、その報告は少なく、骨膜細胞への遺伝子導入も未だ報告を認めないので、まずマーカー遺伝子(LacZ)を用いて骨膜細胞に対する導入効率及び遺伝子発現期間についての確認実験を行った。(in vitro)その後、マーカー遺伝子(LacZ)導入骨膜細胞をコラーゲンゲル内に包埋し、ウサギ膝関節軟骨欠損部に移植した。(in vivo) また、骨膜組織片に直接AAVを感染させ、軟骨欠損部に移植した。 <結果> (in vitro)AAV感染後3日、1,2,4,8,12週において、X-gal染色を行いLacZの発現を確認した。3日後の発現率は70%であった。1,2,4,8週後においては90%の発現率を認め、12週後まで80%の発現を維持し得ることを確認した。 (in vivo)移植2週後においてLacZ陽性細胞を多数認め、移植細胞は生体内において生着しさらに導入遺伝子の発現も可能であることが証明された。 さらに骨膜組織にも直接AAVを感染させ、深層細胞まで遺伝子導入が可能であることも確認した。また、骨膜組織片の軟骨欠損部への移植を行い、生体内での遺伝子発現を確認した。 現在、実際に軟骨分化促進能を有する成長因子を用いて軟骨修復を試みることを目標としてTGF-b1組み込みAAVベクターを作成中である。
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