2001 Fiscal Year Annual Research Report
Schwann細胞の神経誘導能を応用したハイブリッド型人工神経に関する研究
Project/Area Number |
12671439
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲尾 保志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30188883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 博泰 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00193186)
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Keywords | Schawann細胞 / 人工神経 / 神経移植 / HNK-1糖鎖抗原 |
Research Abstract |
本年は、運動および知覚神経のSchwann細胞膜上に発現する糖鎖の違いや局在の特徴について検索した.生後10週のICRマウスより採取した大腿神経を、運動神経束と知覚神経束に分離してホモジネートし、たんばく質を可溶化してから膜分画抽出した.蛋白量が等量となるように調節したサンプルを用いて、Western blot analysisを行うべく、電気泳動を施行した.これをPVDF膜上へブロットして、抗HNK-1抗体,M6749抗体、抗MAG抗体を用いた免疫染色を行い、ブロットされた膜蛋白を発色させた.また、膜上の蛋白質内糖鎖の違いを検出するために、9種類のbiotin標識lectinを用いて解析した. Western blot analysisの抗HNK-1、M6749、抗MAG抗体染色では、知覚神経束に比べて明らかに運動神経束の膜分画が濃く染色されており,HNK-1糖鎖抗原が運動神経束のSchwann細胞膜上に多く発現していることが明らかとなった.また、バンドは細胞接着分子のMAGの分子量に一致するレベル(100kD)に観察された.Lectin blot analysisでも、8種類のlectindeで、100kDのレベルにバンドが観察され、明らかに運動神経束のバンドの発色が知覚枝より強かった. 今回の実験で、HNK-1糖鎖抗原は、運動Schwann細胞の膜蛋白内に特異的に存在することが判明した.また、100kDの分子量でSchwann細胞の膜上で明らかにされている接着分子はMAGのみであることから、HNK-1糖鎖抗原はMAG上に存在するものと思われた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 奥山訓子: "Cable graftにおける移植神経片数と再生軸索数の関係"日本手の外科学会雑誌. 17・4. 376-380 (2000)
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[Publications] 奥山訓子: "Cable graftにおける神経の再生形態と誘導数の関係"日本手の外科学会雑誌. 18・2. 192-195 (2001)
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[Publications] 斉藤治和: "新しいphenotypeのSchwann細胞の存在とその特性"日本手の外科学会雑誌. (印刷中). (2002)