2000 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経のNeurotropismを利用した新移植法の研究
Project/Area Number |
12671440
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岡 義範 東海大学, 医学部, 助教授 (50101986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 育雄 東海大学, 医学部, 助手 (10266421)
池田 全良 東海大学, 医学部, 助手 (60212784)
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Keywords | 末梢神経 / 神経移植 / 人工神経 / シリコンチューブ / Neurotropism |
Research Abstract |
8週齢ラット33匹の左大腿中央部で坐骨神経を切断し、15mmの神経欠損を作成した。内径1mmのシリコンチューブを用い、5つの実験群を作成した。1.15mmの神経欠損部をシリコンチューブ単独で架橋したもの(control群)。2.チューブの中間に5mmの血流の無い小神経片を挿入し、チューブの末梢側には神経を接合しなかったもの(NV-A群)。3.チューブの中間部に血流を保ったままの5mmの小神経片を介在させ、末梢側には神経を接合しなかったもの(V-A群)。4.チューブ中間に5mmの血流のない小神経片を挿入し、末梢側を神経縫合したもの(NV-P群)。5.チューブの中間に血流を保ったままの5mmの小神経片を介在させ、末梢側を神経縫合したもの(V-P群)。評価は術後10週で行った。評価方法:電気生理学的検索.坐骨神経を電気刺激し、足底筋の表面心電図、筋張力を測定した。組織学的検索は、坐骨神経の再生神経の最狭部の切片を作成した。光学顕微鏡検索ではtoluidine blue染色にて、再生神経軸索数、再生神経軸索面積を算出した。 結果:肉眼的所見は、control群では全例に神経架橋を認めなかった。NV-A、V-A群では末梢側欠損部では極めて細い神経が架橋されていただけであった。NV-P、V-P群では、中枢側、末梢側欠損部ともに最狭部で直径0.5mm程度の神経架橋を認めた。電気生理学的所見は、V-P群は全例に活動電位、筋張力が測定できたが、NV-P群では約3割に活動電位の確実な導出が得られなかった。終末潜時は、活動電位が導出されたNV-P群とV-P群ともに対側と比べかなり遅延していた。単収縮時張力も同様に対側に比べ小さいながら活動電位が得られ、完全強縮も得られた。 以上より、単一小神経片のチューブ内移植による新人工神経移植法の基礎的成果が立証された。
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Research Products
(1 results)