2000 Fiscal Year Annual Research Report
出血性ショック時の白血球接着に対する一酸化窒素(NO)発生剤の効果に関する研究
Project/Area Number |
12671450
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮部 雅幸 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (60145589)
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Keywords | 出血性ショック / 白血球接着 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
【背景】出血性ショックにおいて、返血時にNOドナーであるSNAP(S-nitroso-N-acetylpenicillamine)を投与すると、循環が維持され死亡率が低下することが報告されている(Syminton)。この報告で小腸での好中球のマーカーエンザイムの集積がSNAP投与により抑制されることを示し、NOが好中球の組織への集積を抑制することにより保護的に作用したと予測している。しかしこれまで出血性ショックにおいて、返血時にNOドナーを投与し、NOが微小循環、特に好中球の血管壁への接着に影響を及ぼすか否かについて生体顕微鏡を用いて調べた報告はない。 【目的】SNPが白血球の血管壁への接着に及ぼす影響を調べることにより、SNPに抗ショック作用があるか解明する。 【方法】対象:雄ラット(200-300g)21匹。麻酔:ペントバルビタール筋肉内投与、気管切開、人工呼吸。カニュレーション:総頚動脈、外頚静脈。測定項目:腸間膜静脈の血管径、血流速度、白血球のローリング数と接着数、平均動脈血圧(総頚動脈)。 プロトコール I群(n=7)SNP(0.1μg/kg/hr)を投与し、脱血は行わずコントロールとする。 II群(n=7)脱血により血圧を40mmHg台に1時間保ち返血 III群(n=7)SNP(0.1μg/kg/hr)を投与しI群と同様に血圧を低下させ上記測定項目の測定 【結果】III群(SNP_+ショック群)で返血後の白血球の接着数がII群(生食+ショック群)に比較して有意に少なかった。 【結論】SNPは白血球の接着の抑制により抗ショック作用を有する可能性がある。 【文献】Symington PA.Meth Find Exp Clin Pharmacol 14:789,1992
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