2000 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニン受容体作動薬のニューロパシックペイン抑制機序に関する研究
Project/Area Number |
12671451
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小幡 英章 群馬大学, 医学部, 助手 (20302482)
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Keywords | セロトニン / ニューロパシックペイン / 脊髄 / ラット |
Research Abstract |
セロトニン性下降抑制系は、脊髄で痛覚伝達の抑制に重要な役割を担っており、動物を用いた急性痛の実験では、髄腔内に投与したセロトニンは鎮痛作用を示すことが知られている。セロトニンレセプターは大きく7つのサブタイプに分類されるが、その中でも5-HT_<1A>、5-HT_<1B>、5-HT_2、5-HT_3レセプターが脊髄後角で急性痛の抑制に関与すると報告されている。しかし、ニューロパシックペインとセロトニン抑制系との関係はほとんど解明されていない。近年、ニューロパシックペインのラットモデルがいくつか開発されているが、脊髄神経結紮によって発症するアロディニアモデルを用いて、髄腔内に投与した各種セロトニンレセプターサブタイプの作動薬が、ニューロパシックペインの抑制に有効であるか否か検討したところ、5-HT_2作動薬のみが抗アロディニア作用を示した。炎症性疼痛モデルであるラットホルマリンテストで同様の実験を行ったところ、5-HT_2および5-HT_3作動薬が有効であり、ニューロパシックペインにおいては、脊髄でのセロトニン抑制系に変化が生じている事が示唆された。5-HT_2作動薬の髄腔内投与は坐骨神経結紮によって発症するthermal hyperalgesiaの抑制にも有効であった。このように5-HT_2作動薬は髄腔内投与によってニューロパシックペインを抑制するが、この効果は全身投与や、脳室内投与では認められない。さらにこの作用は、5-HT_2拮抗薬およびムスカリン受容体拮抗薬で抑制されることが、これまでのわれわれの実験で明らかとなっている。
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Research Products
(1 results)