2000 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症性ショックの病態の解明-ニトロ・カテコールアミンの役割-
Project/Area Number |
12671458
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
高倉 康 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40206735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 義和 福井医科大学, 医学部, 助手 (20283179)
福田 悟 福井医科大学, 医学部, 教授 (30116751)
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Keywords | パーオキシナイトライト / ノルアドレナリン / 血管収縮 / 敗血症性ショック / 一酸化窒素 / スーパーオキシド / 血圧 / 機能実験 |
Research Abstract |
敗血症時に大量に産生される一酸化窒素(NO)とスーパーオキシドは各々カテコールアミンと反応し失活させることが知られている。しかし、NOとスーパーオキシドが反応して生成されるパーオキシナイトライトがカテコールアミンの血管収縮力に影響するかは不明である。 【目的】パーオキシナイトライトと反応させたノルアドレナリンが血管収縮力を減弱するかを検討する。 【方法】オスのウイスター・ラット(250g)を用いた。(1)パーオキシナイトライトとノルアドレナリンの反応;pH7.4、37刧のリン酸ナトリウム緩衝液にノルアドレナリンを溶解し、撹拌しながらパーオキシナイトライトを加え反応させた。(2)胸部大動脈を用いた機能実験;摘出した胸部大動脈らせん状切片をクレブス液中に懸垂し、パーオキシナイトライトと反応させたノルアドレナリンを加え、等尺性張力を測定した(n=6-10)。システインを用いた競合実験によりパーオキシナイトライトとノルアドレナリンの反応係数を求めた。(3)麻酔下にパーオキシナイトライトと反応させたノルアドレナリン(1μg/kg)をラットに静注し、血圧の経時的変化を測定した(n=6)。 【成績】パーオキシナイトライトと反応させたノルアドレナリンは血管収縮力を有意に減弱した。パーオキシナイトライトとノルアドレナリンの反応係数は600/M/sであった。パーオキシナイトライトと反応させたノルアドレナリンは血圧を変化させなかった。 【結論】パーオキシナイトライトはノルアドレナリンと反応し、その血管収縮力を減弱する。これは、敗血症時の内因性及び外因性カテコールアミンの血管収縮力低下の一機序と考えられる。
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