2000 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化窒素(NO)添加可能な自動制御機能つき経皮的心肺補助装置(PCPS)の検討-NO添加・排気装置と高度な制御機能を備えたPCPSシステムの開発と評価-
Project/Area Number |
12671484
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
荒木 賢二 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (70274777)
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Keywords | PCPS / 人工心臓 / 人工心肺 / 体外循環 / 心不全 / 制御 / NO / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
1.模擬循環回路試験 亜硝酸ガス(NOx)吸収装置を試作し,人工肺の吸気に添加混合した一酸科窒素(NO)により発生する排気中のNOxを測定した.通常使用する40ppmまでNO添加では,NOx吸収装置下流の排気中2.8ppmで,5ppm以下の環境基準の安全域に抑えられていることが確認され,NOx吸収装置の有効性が確認できた. 2.動物実験 体重40kgの幼ブタに全身麻酔呼吸管理を行い,右心房脱血,右総頚動脈送血を行い,人工肺および血液ポンプによる心肺補助装置を装着した.体外循環を開始し,体外循環開始前と同等の2.5L/分の流量を確保し,30分間の大動脈遮断を行い,常温心筋虚血による心不全を作製した.虚血開始10分後より,人工肺の吸入ガスにNOガス40ppmを添加した.遮断解除後180分間心拍出量の60〜70%の心肺補助を行った.補助中血行動態は安定していた.脱血不良による吸い付き現象の発生はモータ電流値の急激な変化をもたらすことが確認され,その特異な電流変化を検知可能であったことから,自動運転時の脱血不良防止が可能であると考えられた.心筋の回復に対するNOガスの添加については,有意差を得ることはできなかったが,180分間の血行動態が安定していたことから有望であると思われた.抗血小板作用については,NO添加により,有意な血小板作用の抑制が認められた.また少量ヘパリン投与により活性凝固時間が120秒とほぼ正常でありながら,実験終了後に人工肺への血栓の付着は極僅かであり,両側腎ともに梗塞巣を認めなかったことから,人工肺へのNOガスの添加は抗血小板作用について有効であると考えられた.
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