2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671491
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 雅夫 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30333470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村川 雅洋 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90182112)
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Keywords | マグネシウム / モルヒネ / 電流知覚閾値 |
Research Abstract |
マグネシウムMgは多くの酵素活性や細胞内伝達系において重要な役割を担う生体内で4番目に多い陽イオンである。近年、NMDA受容体の活性化を抑制し鎮痛効果を示すことが報告されている。本研究の目的は、電流知覚閾値(CPT : Current Perception Threshold)測定装置を用いて、血清Mg濃度と疼痛閾値の関連を明らかにすることである。 1.イソフルラン麻酔下のWistar ratに、生食1mlあるいはMg 2mmol/kg、4mmol/kgを腹腔内投与し、15、30、45、60、90、120分後の血中Mg濃度を測定した。生食群では、血中Mg濃度は0.45mmol/L前後のまま変化しなかったが、Mgを2mmol/kg、4mmol/kg投与した群ではそれぞれ15〜30分で最高1.37mmol/L、1.93mmol/Lまで上昇し、投与後30〜60分はほぼ一定の値を示し、その後徐々に減少した。 2.雄Wistar-ratを用い、Neurometer CPT/C (Neurotron社製、Animal Response Test mode)でCPT対照値を測定後、薬液(1群:生食1ml、2a群:Mg 2mmol/kg、2b群:Mg 4mmol/kg、3群:モルヒネ2.0mg/kg、4a群:モルヒネ2mg/kg+Mg 2mmol/kg、4b群:モルヒネ2mg/kg+Mg 4mmol/kg)を腹腔内注入し、15分後再度CPTを測定した。CPTは尾部で2000Hz(Aβ線維刺激)、250Hz(同Aδ線維)、5Hz(同C線維)について測定した。2000Hzでは2b群、250Hzでは2a群を除き、有意な変化を示さなかった。5Hzでは1群を除く全ての群で有意な閾値の上昇を認めた(paired t-test)が、その変化率に群間で有意差は認めなかった。 Mgで痛覚閾値の上昇することが確認されたが、血中濃度による鎮痛効果の違いは明らかではなかった。モルヒネ単独に比べMg併用では、痛覚閾値が上昇する傾向が見られたが、有意差はなかった。
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