2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671494
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
安藤 富男 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00193110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 賢一 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10233412)
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Keywords | イソフルレン / ATP感受性Kチャネル / 黒質 / 脳保護 |
Research Abstract |
日齢14から17日の幼弱ラットの脳スライスを作成し、黒質を含む脳スライスにおいて、whole cell patch clamp法により、黒質緻密層ニューロンの膜電位を測定した。一般的に同部位のドパミン作動性ニューロンは、活動電位の低い発生頻度、長い持続時間、過分極により活性化されるカチオンチャネル活動(hyperporalization activated cation channel:Ih)の存在などにより特徴付けられる。まず、このニューロンにATP感受性Kチャネルが発現していることを確かめた。すなわち、current clamp法により脱分極性および過分極性の電流を通電したときの、活動電位の形状、発生頻度、過分極による反応などを検討し、上記ドパミン作動性ニューロンの特徴を備えたニューロンにATP感受性Kチャネルの刺激薬であるdiazoxide500μMを投与したところ、全例で膜コンダクタンスの増加を伴う膜の過分極が認められ、この反応はATP感受性Kチャネルの阻害薬であるtolbutamide100μMによってほぼ完全に拮抗された。したがって、脱分極性および過分極性の電流を通電したときの反応から、ATP感受性Kチャネルが発現したニューロンを同定できると考えられ、脳スライスパッチ法により、黒質ドパミン作動性ニューロンのATP感受性Kチャネル機能を解析する実験系を確立できた。さらに、これらのニューロンは、Ih活性の大小により大きく2群に分けられると考えられ、これらにイソフルレンを潅流した時の、膜電位と膜コンダクタンスの変化、およびこの反応がtolbutamideによって拮抗されるかどうかを検討中である。
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