2002 Fiscal Year Annual Research Report
周術期における手術部位感染およびカテーテル感染のリスクファクターの解析
Project/Area Number |
12671500
|
Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
粕田 晴之 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20090590)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 義一 自治医科大学, 医学部, 教授 (00127581)
池野 重雄 自治医科大学, 医学部, 助手 (60265270)
福田 博一 自治医科大学, 医学部, 講師 (10245061)
|
Keywords | 手術部位感染 / SSI / 消化器外科手術 / 整形外科手術 / リスクファクター / 抗菌薬の予防投与 / 手術時間 / 手術創の汚染度 |
Research Abstract |
1.周術期における手術部位感染surgical site infection(SSI) (1)SSIの評価:消化器外科手術、整形外科手術、眼科手術について、SSIを手術式別および手術創の深さ別に分類してサーベイランスを実施した。消化器外科手術ではSSI発生率1〜17%、整形外科手術では0〜3%、眼科手術では0.01%であった。(2)リスクファクターの評価:患者関連リスクファクターとしてASA麻酔前身体状況分類、年齢、糖尿病、喫煙、肥満、手術前の入院期間などをチェックした。手術関連リスクファクターとして、皮膚の消毒、除毛、手術時間、手術中の患者体温、抗菌薬の予防投与、手術創の汚染度、インプラントの有無などのほか、眼科手術については手術時手洗い法も含めチェックした。(3)抗菌薬の予防的投与:外科系12科を対象として手術術式別に抗菌薬が適正に投与されているか継続してチェックした。抗菌薬の不適正な選択、不適切な投与タイミングはほぼ見られなくなった。(4)SSIとリスクファクターとの関連:消化器外科手術では大腸手術、胃切除手術でSSI発生率が高く、手術時間、手術創の汚染度との関連が強く示唆された。整形外科手術では手術創の汚染度との関連が示唆された。眼科手術ではSSIとリスクファクターとの関連は認められず、手術時手洗いを簡略化してもSSIの発生率は変化なかった。 2.カテーテル関連感染 硬膜外カテーテルおよび中心静脈カテーテルの刺入留置において、カテーテル関連感染とリスクファクター(カテーテルルーメン数、挿入部位、皮膚消毒、挿入手技、留置期間、ドレッシング等)との関連について検討した。挿入手技についてビデオ記録し、サーベイランス結果と対比してSSIとの関連を検討した。留置期間48時間以内では感染は認められなかったが、挿入手技経験年数と皮膚消毒薬によって細菌検出率に差のあることが示唆された。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 藤井 昭: "手術時手洗いにおける滅菌水と水道水の効果の比較"日本手術医学会誌. 23(1). 2-9 (2002)
-
[Publications] Kasuda H: "Skin disinfection before epidural catheterization : comparative study of povidone-iodine versus chlorhexidine ethanol"Dermatology. 204(Suppl1). 42-46 (2002)
-
[Publications] 粕田晴之: "速乾性擦式手指消毒薬"Infection Control. 11(4). 410-414 (2002)
-
[Publications] 粕田晴之: "手術用手洗いは水道水で"手術医学. 23(Suppl). 33 (2002)
-
[Publications] 福田博一: "新しい手術時手洗い法の普及状況と手荒れ対策"手術医学. 23(Suppl). 56 (2002)
-
[Publications] 粕田晴之: "高バリアー性リユーザブルガウンとドレープの評価"手術医学. 23(Suppl). 57 (2002)
-
[Publications] 粕田晴之(分担執筆): "-手術チームに関わる注意点-EBMに基づく手術部の感染防止Q&A(大久保憲編)"メディカ出版. 25 (2002)