2001 Fiscal Year Annual Research Report
くも膜下腔に投与した抗コリンエステラーゼ薬の体性交感神経反射に及ぼす影響
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12671505
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐伯 茂 日本大学, 医学部, 助教授 (50162251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓 日本大学, 医学部, 講師 (60246907)
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Keywords | 体性交感神経反射 / ネオスチグミン / くも膜下投与 / 鎮痛効果 / アトロピン |
Research Abstract |
成ネコをウレタン、クロラロース麻酔下に人工呼吸し、観血的等脈圧、心電図を連続測定した。atranto-occipital membraneからクモ膜下腔にPE10カテーテルを尾側に向け約25cm挿入した。片側大腿神経20Hz3連発の最大上刺激を与えて、腰部交感神経幹の中枢側切断端から反射性交感神経活動電位を導出した。この活動電位は非侵害性情報に関与する太い有髄神経線維(A線維)により誘発されるA reflexと、侵害性情報に関与する細い無髄神経線維(C線維)により誘発されるC reflexから成り、共に延髄性であることが判明している。したがってC reflexの振幅の抑制度を指標とすれば、各種薬物の鎮痛効果を客観的に判断することが可能となる。 本年度は臭化ネオスチグミンの投与量を10μg、250μg、2mgの3つの投与群に分けて用量依存性の変化が認められるか否かを研究した。 (結果) 1.A reflexの振幅は用量依存性に抑制される傾向が認められたが有意な変化ではなかった。一方、C reflexの振幅は用量依存性に有意に抑制され、特に250μg投与群、2mg投与群における最低値はそれぞれコントロール値の55.2%、24.0%であった。これらの変化はアトロピンのくも膜下投与により拮抗された。 2.平均動脈圧、心拍数も用量依存性に抑制され、特に2mg投与群では有意な抑制が認められそれぞれコントロール値の57.6%、65.2%となった。これらの変化はアトロピンのくも膜下投与により拮抗された。 (結論) 臭化ネオスチグミンのくも膜下投与により用量依存性に鎮痛効果が発揮され、その作用にはcholinergic receptorが関与していることが証明された。また、臭化ネオスチグミンのくも膜下投与により血圧低下、徐脈などの循環動態の変動が生じることが明らかとなった。
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