2001 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌の局所進展に関わる因子:神経浸潤とリンパ行性転移の分子生物学的解析
Project/Area Number |
12671523
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
越田 潔 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70186667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 邦彦 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60230661)
横山 修 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90242552)
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Keywords | 前立腺癌 / リンパ節転移 / 神経浸潤 |
Research Abstract |
前立腺癌の局所進展に関わる重要な因子として、前立腺被膜を越える癌細胞の浸潤様式としての神経浸潤、およびリンパ行性転移が上げられる。これらの臨床的事象に関わる因子の同定とその治療への応用を目的として、種々のヒト前立腺癌由来細胞(UNCaP, PC-3, DU145, TSUPR)をマウス前立腺に移植し同所移植モデルを作成し、その転移・浸潤様式を解析した。いずれのcell lineも同所移植腫瘍を形成したが、PC-3以外の腫瘍細胞のリンパ節転移頻度は低く、これらの細胞株におけるVEGF-Cの発現はPC-3のそれに比べ、明らかに低下していた。一方、neurotrophic factors, (NGF, NT3)の発現は、PC-3, DU145で強く、組織学的に神経浸潤を示唆する所見はDU145のみに観察され、これらのfactorの発言と神経浸潤すなわち被膜外進展との関連が示唆された。一方、臨床検体を用いた検討ではこれらのfactorの免疫組織化学的発現と神経浸潤との間に有意な相関は認められなかった。またリンパ節転移の有無とangiogenic factor (VEGF-C)の発現との間に明らかな相関は認められず、単一因子による臨床的事象の解釈は困難であることが示された。以上の結果から動物実験においてその関与が示唆される因子においても臨床的な意義に疑問を残すことが示唆された。
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