2000 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌に対する焦点式高密度超音波治療の応用に関する研究
Project/Area Number |
12671545
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西 一彦 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (30264287)
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Keywords | HIFU / 腎癌 / 安全性 / 生存率 |
Research Abstract |
近年開発された焦点式高密度超音波治療(High Intensity Focused Ultrasound:HIFU)は、照射領域を壊死させる治療法で、介在組織や隣接組織で熱による損傷が無く低侵襲であると報告されている。一方、HIFU治療には肝臓癌・前立腺癌・腎癌・乳癌への応用の可能性が示唆されておるが、癌への応用では国外で前立腺癌の一部に検討されてているのみで腎癌への検討はない。本研究では今年度は、正確かつ効果的標的方法確立の為、家兎腎へ移植した家兎VX2carcinomaを使用し経皮的HIFU治療を施行し、腫瘍と周囲組織の病理組織検査を施行する。 1〕家兎VX2carcinoma実験群 1群(Sham operated群)〜約2週間で評価可能な直径1-2cmの腫瘍を形成し、約3ヶ月で癌死した。 2群(従来のHIFU治療装置のみで治療した群) 3群(カラードプラー法にて標的しつつHIFU治療した群) 4群(パルスドプラー法にて標的しつつHIFU治療した群) 5群(超音波造影剤Levovist(300mg/ml)持続注入にて標的しつつHIFU治療した群)〜5群の超音波造影剤Levovist持続注入標的法が腫瘍描出優れていたが、HIFU治療との併用上3群と4群は困難と判明した。現在3群と4群を実験装置等を工夫し検討中である。 2〕病理組織検査 上記の理由により実験動物群の十分な病理組織検査ができていないので、良質腫瘍の前立腺肥大組織と悪性腫瘍の前立腺癌の臨床サンプルにおいてHE染色及びTunncl染色を行い、腫瘍と周囲組織の病理組織検査を施行した。その結果、Necrosisと正常組織の境界は明瞭で、前立腺腺上皮は間質組織よりHIFU治療効果が高い事が判明した。しかし生体内での標的領域とNecrosis領域のdiscrepancyが存在し、安全性上重要な考慮点と思われた。
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