2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671547
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
舛森 直哉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20295356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 泰司 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50112454)
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Keywords | 勃起不全 / 中枢系神経 / testosterone / Nitric oxide(NO) / 内側視索前野 / 海綿体神経 |
Research Abstract |
これまでのわれわれの検討において、加齢ラット内側視索前野(性中枢)の電気刺激による一計海綿体内圧がテストステロン(T)補充による上昇することを見出した。そこで、本年度はこの結果の再現性を検討するとともに、性中枢への刺激と末梢(海綿体神経)との刺激による勃起反応(海綿体内圧)が、去勢およびT補充によりどのような変化受けるかを同じ実験モデルで検討した。 20週齢のラットを去勢し、去勢後2、4、8週後に中枢および末梢の電気刺激を行い海面内圧の変化(海綿体内圧/血圧比=ICP/BP ratio)を検討した。さらに、8週齢のラットを去勢後6週目からテストステロンペレット(50mg)の皮下投与によるT補充を行い投与後2週目に上記と同様の検討を行った。 血中T値は去勢前の79.1ng/dlであったが、去勢2週後では5ng/dlに著明に低下した。テストステロンペレットの移植後8日目では血中T値は838ng/mlと顕著に増加した。中枢刺激では対照群のICP/BP ratioは0.750±0.134であったが、去勢後2週目:0.138±0.035、4週目:0.131±0.081、8週目:0.123±0.049と有意に低下した。しかし、T補充群では0.676±0.103と対照群とほぼ同じでT補充による海綿体内圧の回復が観察された。一方、末梢の電気刺激においても対照群のICP/BP ratioは0.553±0.097であったが、去勢後2週目:0.368±0.085、4週目:0.318±0.096、8週目:0.301±0.065と有意に低下した。中枢刺激の場合と同様にT補充群では0.491±0.056とT補充により対照群のratioと同程度の海綿体内圧反応の回復があった。中枢刺激と末梢刺激との比較では対照群、T補充群とも中枢刺激による海面体内圧の反応の程度のほうが大きかった。 T補充は中枢および末梢での勃起反応の回復を促すと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 鈴木一弘, 佐藤嘉一, 塚本泰司: "クエン酸シルデナフィル:構造と薬理学"日本臨床. 60. 259-261 (2002)
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[Publications] 佐藤嘉一, 塚本泰司: "クエン酸シルデナフィル:副作用、他薬物との相互作用(併用禁忌薬物)"日本臨床. 60. 262-265 (2002)
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[Publications] 佐藤嘉一, 塚本泰司: "クエン酸シルデナフィル:適応症例の選択と禁忌症例"日本臨床. 60. 266-270 (2002)
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[Publications] 加藤隆一, 伊藤直樹, 佐藤嘉一, 塚本泰司, 木山博資: "勃起能の回復-ホルモン補充と勃起神経の再生"札幌医誌. 71. 7-12 (2002)
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[Publications] 加藤隆一, 塚本泰司: "勃起障害(ED)とその治療"Medical Practice. 20. 368-369 (2003)
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[Publications] Adachi H, Sato Y, Kato R, Hisaue S, Suzuki K, Masumori N, Itoh N, Tsukamoto T: "Direct evidence of facilitative actions dopamine in the MPOA on reflexive erections and noncontact erections in male rats"Journal of Urology. 169. 386-389 (2003)