2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671553
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
上野 宗久 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (60167286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野間 隆 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50198173)
塚本 拓司 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90322411)
出口 修宏 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90118977)
野中 昭一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70255537)
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Keywords | 精巣腫瘍 / レチノイン酸 / 軟骨分化 |
Research Abstract |
細胞をBrdUとPIで二重染色し、フローサイトメトリー(FACscan)を用いて、各種レチノイン酸の細胞周期に与える影響を検討したところ、ATRAとTAC101(RAR-α agonist,大鵬薬品より供与)投与により、精巣腫瘍細胞株、KU-MT細胞はG1期に停止し、S期細胞の割合が低下して増殖は抑制された。一方、ATRAとTAC101は同精巣腫瘍細胞におけるAFP産生を増加させた。また、ウェスターンプロット法から、これらレチノイン酸がビメンチンおよびbone morphogenetic protein-2タンパク発現を亢進させることから、レチノイン酸がKU-MT細胞の間質を凝集させ、軟骨へと分化させることが示唆された。軟骨細胞に特異的に認められる抗軟骨プロテオグリカン抗体と抗2型コラーゲン抗体を用いて免疫蛍光染色法を施行した。コンフォー力ルレーザー顕微鏡で観察したところ、KU-MT細胞は薬剤未処理状態では両抗体に全く染色されず、レチノイン酸投与により、染色は著しく増強された。更に直接的に、軟骨細胞において特異的に認められるアルシアンブルーで細胞を染色したところ、青く濃染された結節が部分的に観察された。また、KU-MT細胞は神経細胞に特異的なNcamやニューロフィラメントに対する抗体により染色されるが、その染色性はレチノイン酸投与により影響されなかった。
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