2000 Fiscal Year Annual Research Report
HVJ-リポソーム法を用いた自殺遺伝子による前立腺癌ターゲティング療法の確立
Project/Area Number |
12671556
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀口 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60229234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 隆弘 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50265948)
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10167546)
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
橘 政昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (70129526)
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Keywords | 前立腺癌 / 遺伝子治療 / ターゲティング / リポソーム / 自殺遺伝子 / 特異的プロモーター |
Research Abstract |
Prostate-specific membrane antigen(PSMA)はヒト前立腺細胞に特異的に発現している細胞膜蛋白である。本研究では、前立腺細胞を特異的な標的とした新たな遺伝子治療を目指し、PSMAを標的とした遺伝子導入法を開発することを目的としている。 1、治療遺伝子プラスミドの作製:PSMAプロモーターをcytosine deaminase(CD)遺伝子が組み込まれた発現ベクターに組み込むことで本実験に用いるプラスミドを作成した。また基礎実験に用いるためにリポーター遺伝子であるluciferase遺伝子をCD遺伝子の代わりに組み込んだプラスミドも作成した。 2、in vitro遺伝子導入:1で作成したリポータープラスミドをin vitroにおいて、ヒト前立腺癌細胞株DU145、LNCaP、PC3の3細胞にcationic lipidをvectorとして遺伝子導入した。PSMAを発現するLNCaP細胞においてのみ、コントロールとして用いたSV40プロモーターに匹敵する遺伝子発現を得たが、PSMAを発現しないDU145およびPC3細胞ではPSMAプロモーターはほとんど遺伝子発現能を持っていなかった。 3、新たに得られた知見および今後の研究課題:2においてPSMAプロモーターを用いることにより、PSMA特異的に遺伝子導入・発現が得られることが確認されたが、LNCaP細胞自体に、導入された外来遺伝子を発現する能力が弱いことが判明した。このため次年度において、in vivoの研究を進めて行くためには、この問題点を克服する必要があると考え、現在より安定した遺伝子導入法について検討を進めている。
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