2000 Fiscal Year Annual Research Report
未熟卵胞の異種間移植による卵胞・卵子成熟機構に関する基礎的検討
Project/Area Number |
12671574
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
千石 一雄 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30163124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田熊 直之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (10312464)
玉手 健一 旭川医科大学, 医学部, 講師 (90207233)
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Keywords | 原始卵胞 / マイクロカプセル / 凍結保存 / oocyte factor / フリーラジカル |
Research Abstract |
凍結保存融解後のマウス未熟卵胞(原始卵胞、一次卵胞)の異種間移植のためのマイクロカプセルを開発し、ならびに、この異種間未熟卵胞移植の実験モデルから、初期卵胞の発育機構に関し、卵細胞からのシグナリングを中心に卵成熟機構の解明を目的として基礎的研究を行った。 本年度はまず、マウス卵巣を酵素処理にて得られた原始卵胞、1次卵胞の同種間移植による発育能を検討した。 マウス原始卵胞の移植部位の比較では皮下、卵巣嚢のいずれの部位においても卵胞の生着、発育が認められることをDouble staining法(propidium iodide,CDSE染色)で確認した。さらに、FSHは濃度依存性に卵胞発育を促進したが、EGFの単独投与、FSHとの併用投与のいずれにおいてもEGFの効果は確認されなかった。 マウス原始卵胞の凍結保存の可能性を検討するため、本年度は未熟卵子の凍結保存時のフリーラジカルの影響に関し検討した結果、活性酸素の消去酵素であるSODおよぼ一酸化窒素(NO)の消去剤であるHbが凍結融解後の卵子の生存、その後の受精、発育能に促進的に寄与することを明らかにした。しかしcatalaseの効果は認められず、また、高濃度のNOS阻害剤も生存率を抑制することから、活性酸素種およびNOなどのフリーラジカルの生成、消去のバランスを保つことが卵および卵胞の凍結保存には重要であることが示唆された。さらに、NO供与剤およびNOS阻害剤の実験結果から、マウス卵子の成熟、初期胚発育、着床にNOが深く関与し、特に、卵子成熟にはNOの存在が必須であることを明らかにした。 次年度は、至適マイクロカプセルの開発の検討を進めるとともに、卵胞・卵子の成熟に関与するoocyte factorの機能解析を進める予定である。
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Research Products
(1 results)