2000 Fiscal Year Annual Research Report
卵胞発育の生理および病理におけるインヒビン・アクチビンシステムの役割に関する研究
Project/Area Number |
12671579
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 敏博 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80219063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 昭彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10302712)
五十嵐 敏雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10311622)
岡垣 竜吾 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00302711)
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Keywords | 卵胞発育 / インヒビン / アクテビン / ビスフェノールA |
Research Abstract |
卵胞発育におけるインヒビン・アクチビン・フォリスタチンの作用を検討するために、まずヒト体外受精胚移植(IVF-ET)において得られる卵胞内容を患者の同意を得て材料として用いた。卵胞液中の各種物質濃度の定量的測定および顆粒膜細胞中の各物質のmRNA量のRT-PCR法による半定量を行った。これから得られた値と、各々の卵胞から回収された卵の状態、受精率、発生した初期胚の形態などとの相関をみたところ、インヒビンのα subunitが、良好卵が得られた卵胞において高い値を示した。一方でこれらの卵を受精させて胚発育をみたところ、むしろ良好胚が得られた卵胞においては、そうでない卵胞に比べてα subunitの値は低値をとった。この結果から、良好卵を得るためには、顆粒膜細胞中のα subunitがある程度高値をとる必要があるが、適正域を超えて高値となった場合には、むしろ卵の質は低下する可能性が示唆された。なお卵胞液中の各種物質濃度とこれらの因子との間には一定の傾向は認められなかった。 次いで、過排卵誘起を行わない自然周期を有する女性について、患者の同意を得た後に月経周期の様々な時期に卵胞を穿刺し、得られた卵胞液中の各種物質濃度を測定した。この結果、インヒビンAはエストラディオール同様、卵胞発育に伴い増加を示したが、アクチビンAおよびフォリスタチンは月経周期の時期による変化はみられなかった。 以上2つの結果については既に英文誌に発表済みであり、今後は多嚢胞性卵巣症候群など排卵障害を持つ卵胞について同様の解析を継続して行く予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Taketani,K.Kugu,T.Fujiwara: "Recent Development and Dilemmas in Infertility treatment."Asian Medical Journal. 43(7). 303-311 (2000)
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[Publications] T.Fujiwara, et al: "Analysis of Follicular Fluid Hormone Concentrations and Granulosa Cell mRNA Levels for the Inhibin/Activin/Follistatin System : Relationship to oocyte/Embryo characteristics."Fertility and Sterility. 74(2). 348-355 (2000)
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[Publications] K,Koga,Y.Osuga,O.Tsutsumi,R.Okagaki,M.Momoeda,T.Yano,T.Fujiwara, et al: "Increased Concentrations of Soluble tumour Nectrosis Factor Receptors (sTNFR) I and II in Peritoneal Fluid from Women with Endometriosis"Mol.Human Reproduction. 6(10). 929-933 (2000)
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[Publications] A,Schneyer,T.Fujiwara, et al: "Dynamic Changes in the Intrafollicular Inhibin/Activin/Follistatin Axis during Human Follicular Development : Relationship to Circulating Hormone Concentrations."The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 85(9). 3319-3330 (2000)
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[Publications] 藤原敏博,武谷雄二: "検査値のみかた"中外医学社(分担分). (2000)