2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671583
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 康史 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 講師 (80242197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
己斐 秀樹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20280969)
久保田 俊郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50126223)
麻生 武志 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60093176)
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Keywords | 精子 / capacitation / hyperactivation / カルシウム |
Research Abstract |
1.プロゲステロン添加による精子細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]i)の変化とhyperactivationとの関係 Hyperactivationはcapacitationの完了によりおこり、精子の受精能獲得のために必要な変化である。capacitationもacrosome reactionと同様に[Ca^<2+>]iの変化が関係しているといわれている。今回、hyperactivated spermの比率を測定し、プロゲステロン添加後の[Ca^<2+>]iの変化との関係について検討した。 東京医科歯科大学産婦人科にて施行した不妊症患者の精液検査時の精子、IVF-ET施行時に採取された精子および妊孕性の確認されたドナーの精子49例を対象とした。BWW/HSA5mg/mlにて60分間swim upし回収した精子、およびswim up後BWW/HSA30mg/mlにて18時間培養した精子をそれぞれComputer Assisted Sperm Analyzer(CASA)により解析し、hyperactivated spermの比率を測定した。CASAはHTM-IVOSを使用し、hyperactivationはBurkmanおよびMortimerの基準を用いた。[Ca^<2+>]iの測定は、fura-2を用いプロゲステロン1μg/ml添加後の変化を測定した。 swim up後の精子についてhyperactivated spermの比率をBurkmanの基準の平均値(6.92%)により二群に分けたところ、プロゲステロン添加によるbaselineからpeakまでの[Ca^<2+>]iの増加率はhyperactivated sperm高値群(n=20)では348±204(M±S.D.)%、低値群(n=29)では275±398%で高値群で高かった(p=0.016)。また、baselineからplateauまでの[Ca^<2+>]iの増加率はhyperactivated sperm高値群(n=20)では184±153%、低値群(n=29)では95±107%で高値群で高かった(p=0.003)(Mann-WhitneyのU検定)。 以上の結果よりプロゲステロンによる精子[Ca^<2+>]iの上昇はhyperactivationを多く起こした精子群で高かったと結論された。
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