2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671589
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大井 豪一 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10283368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 浩 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40178330)
小林 隆夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (20107808)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
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Keywords | 羊水塞栓症 / Sialyl Tn / 亜鉛コプロポルフィリン I / アナフィラキシーショック |
Research Abstract |
1.当科に羊水塞栓症を疑われ送られてきた症例の解析 各施設より羊水塞栓症を疑い、当科にZn-CP1,STN値測定の依頼があった症例のうち、1995年USAにおける羊水塞栓症登録基準を満たす症例は、75症例中67例であった。登録基準を満たさない8症例は、弛緩出血1例、肺血栓塞栓症4例、帝切時の縫合不全2例、子宮破裂1例であった。また、Zn-CP1(cutoff points=1.6pmol/ml)、STN(cutoffpoints=47U/ml)値はそれぞれ、組織学的診断10例において15(n=1)、112.3±61.8(n=10)、臨床的羊水塞栓55例において9.6±14.3(n=47)、73.8±185.2(n=55)、満たさなかった症例8例において1.7±1.8(n=7)、19.6±6.6(n=7)であった。以上より、Zn-CP1,STN値は、組織学的診断症例が最も高値を示し、次に、臨床的羊水塞栓症例が高値を示した。満たさなかった症例の値は、ほぼ正常値であった。この2つの血清学マーカー測定は、本症の補助診断法において有用であることが再確認された。 2.アナフィラキシーショック時における腸間膜動静脈の形態変化について 最近我々は、羊水塞栓症の病態の一つとして肺動脈を含めた全身血管の攣縮を考えている。また一方本症の発生は、胎児成分が母体血中に流入することが必要条件であり、原因はアナフィラキシーショックであるとの報告が多く認められる。そこで両者を結びつけるために、マウスに人胎児成分を数回注入するとマウスがショック死する系を用い、この時のマウスの腸間膜動静脈の血管攣縮の有無及び血液性状の変化を、共焦点レーザー顕微鏡により観察した。アナフィラキシーショック時におけるマウス腸間膜動静脈・血管内血液の形態学的変化は血管攣縮と血管内血液凝固であることを確認した。
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Research Products
(1 results)