2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671589
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大井 豪一 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10283368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 浩 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40178330)
小林 隆夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (20107808)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
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Keywords | 羊水塞栓症 |
Research Abstract |
新規登録患者を含め、平成13年度までに当科に登録された羊水塞栓症(確定10名と臨床的55名)患者は、66名となった。確定羊水塞栓症患者と臨床的羊水塞栓症患者の母体血清中STN値とZn-CP値はそれぞれSTN:112.3+/-61.8[確定],69.3+/-181.2[臨床的]vs.29.5+/-8.8U/ml[コントロール],Zn-CP1:7.7+/-10.4[確定],13.1+/-27.8[臨床的]vs.0.50+/-0.54pmol/ml[コントロール]であった。確定および臨床的羊水塞栓症患者共に、STN値とZn-CP1値は高値を示した。また、STN値は、確定90%、臨床的28.8%の患者において正常値より高値を認めた。一方Zn-CP1値の陽性率は、確定50%、臨床的66.7%であった。これらの値よりも両マーカーは羊水塞栓症患者血清学的診断の補助診断として有用であることが再確認された。また、予後因子検索のため本疾患12名中、予後不良群3名と予後良好群9名における、母体血清中Interleukin8(IL-8)、STN値とZn-CP1値を測定した。これらの値は、予後不良群においてそれぞれ1214+/-1185pg/ml,20+/-6U/ml,7+/-3pmol/ml、予後良好群において61+/-98pg/ml,170+/-432U/ml,8+/-8pmol/mlであった。これら2群間のMann-Whitney U testにおける危険率はそれぞれ0.01,0.88,0.64であり、予後とIL-8値の間にのみ、有意差がみられた。炎症性サイトカインIL-8は、羊水塞栓症の予後因子として関与している可能性が強く示唆され、本症例重症例における治療法として、抗サイトカイン療法も選択の一つであると思われた。
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