2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671589
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大井 豪一 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (10283368)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 浩 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (40178330)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
|
Keywords | 羊水塞栓症 / Sialyl・Tn / Zinc coproporphrin 1 |
Research Abstract |
新規登録患者を含め、平成14年度までに当科に登録された羊水塞栓症(確定20名と臨床的68名)患者は、88名となった。確定羊水塞栓症患者と臨床的羊水塞栓症患者の母体血清中STN値とZn-CP1値はそれぞれSTN:163.4+/-229.1[確定],73.6+/-181.4[臨床的]vs.29.5+/-8.8U/ml[コントロール],Zn-CP1:30.2+/-26.7[確定],28.9+/-76.1[臨床的]vs.0.50+/-0.54pmol/ml[コントロール]であった。確定および臨床的羊水塞栓症患者共に、STN値とZn-CP1値は高値を示した。また、STN値は、確定84.6%、臨床的27.3%の患者において正常値より高値を認めた。一方Zn-CP1値の陽性率は、確定75%、臨床的67.2%であった。これらの値よりも両マーカーは羊水塞栓症患者血清学的診断の補助診断として有用であることが再確認された。しかし、今回羊水塞栓症を疑ったが羊水塞栓症でないと診断された症例における母体血清中STN値とZn-CP1値を測定した。子宮破裂によるショック6例、肺血栓塞栓症5例、HELLP症候群3例、重症妊娠中毒症2例、その他6症例の合計22症例に及んだ。22症例において、STN値とZn-CP1値はそれぞれ、12.3+/-24.6と34.7+/-63.9であった。STN値に関しては、2例陽性(9.1%)と疑陽性は少なかったが、Zn-CP1値においては、12例陽性(54.5%)と疑陽性率が高い結果を得た。また特に、STN値は、子宮破裂によるショック例において、Zn-CP1値は重症妊娠中毒症においては高値を示した。
|