2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671599
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松村 末夫 神戸大学, 医学部, 教授 (00093534)
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Keywords | 胎盤 / ミオシン / アクチン |
Research Abstract |
ヒト胎盤の発達過程における4種のミオシン重鎖アイソフォーム((1)非筋肉型ミオシン重鎖[MIIA]、(2)胎児型ミオシン重鎖[MIIB]、(3)平滑筋1型ミオシン重鎖[SM1]、(4)平滑筋2型ミオシン重鎖[SM2]の組成及び濃度の変化とそれらの組織内分布の解析を行った。6週から40週の妊娠全期にわたり、いずれの時期にも単位組織重量あたりMIIAアイソフォームがもっとも多量に発現され、同アイソフォームは、全アイソフォームの7.0〜8.0%を占めていた。MIIBアイソフォームは、6週から25週まで発現量が多く、全アイソフォームの10〜25%を占め、15週前後で最も高濃度となった。一方、SM1アイソフォームは6週から20週までは発現量は少なく、全体の5%以下であった。その後、20週前後からやや濃度が上昇し、30週〜40週では10〜15%を占めるに至った。SM2アイソフォームは妊娠の全期にわたり発現量が少なく、妊娠後期〜満期においても数%以下であった。MIIAアイソフォームは、末端絨毛や比較的小さな絨毛を構成する細胞(栄養細胞、合胞体栄養細胞、繊維芽細胞)にほぼ均一に分布し、絨毛及び幹絨毛の血管平滑筋細胞にはさらに高濃度に分布していた。また、幹絨尾の血管外組織の平滑筋様繊維芽細胞にも分布していた。SM1アイソフォームは、絨毛及び幹絨毛の血管平滑筋細胞に局在したが、上記の血管外組織の平滑筋様繊維芽細胞にも含まれていた。また、アクチンのアイソフォームについては、β-非筋肉型アイソフォームが多量に発現され、α-平滑筋型アイソフォームは、同β-アイソフォームの1/2〜1/3程度であリス、γ-平滑筋・非筋肉型アイソフォームは、さらに同β-アイソフォームの1/2〜1/3程度であった。
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