2000 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県におけるHPV感染の実体調査:子宮頚癌発癌へのhigh-risk type HPVの選択的関与に関するひとつのモデルとして
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12671618
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金澤 浩二 琉球大学, 医学部, 教授 (50092680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 裕 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (70305209)
前濱 俊之 琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (50157153)
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Keywords | HPV infection / prevalence / cervical carcinoma / Okinawa |
Research Abstract |
1.CIN3の治療的円切後におけるHPV感染の推移と再発との関連 [目的,対象,方法]CIN3の治療後にHPV感染が持続するか,その推移と再発との関連を知るため,円切前後の頚部から採取した細胞検体のHPV DNAを検索した.[成績]円切前CIN3計58例中56例(96.6%)にHPV DNAが検出された.陽性56例中,円切後HPVは11例(19.6%)に持続的に検出され,45例(80.4%)には検出されなかった.HPV感染が持続した11例中5例(45.5%)にCIN1-3が再発し,一方HPVが陰性化した46例ではCINの再発はみられていない(p<0.0001).[結論]HPV陽性CIN3において,治療後にHPV感染の持続する症例は再発へのhigh-riskにあるとして追跡すべきである. 2.沖縄県における正常頚部細胞診女性,CIN患者、浸潤癌患者におけるHPV陽性率と型別分布 [目的,対象,方法]頚癌発癌とHPV感染との関係を考察するため,我が国で頚癌罹患率がもっとも高く(30.8/女性人口100,000),また一つのclosed colonyとされる沖縄県において,頚部細胞診が正常であった女性,CIN3患者,浸潤頚癌患者についてHPVを横断的に検索し,CIN3患者,頚癌患者ではHPV陽性率が高く,かつhigh risk HPVが選択的に高くなっているかを検討した.頚部ないし頚部病巣から採取した細胞サンプルのHPV DNAをPCR法にて検索した.[成績]細胞診正常女性では10.7%(437/4,089例)にHPV DNAが検出され,陽性例中で16型と18型の検出頻度はわずかに3.5%であった.一方,CIN3患者では96.6%(56/58例)に,浸潤癌患者では85.6%(415/485例)にHPV DNAが検出され,16型と18型の検出頻度はそれぞれ42.9%,36.6%であった.[結論]この成績は,頚癌発癌の場にHPVが原因的に関係している可能性を指摘しており,コホートスタデイによる確認が望まれる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nagai Y,Maehama T,Asato T,Kanazawa K: "Persistence of human papillomavirus infection after therapeutic conization for CIN 3 : Is it an alarm for disease recurrence?"Gyneologic Oncology. 79. 294-299 (2000)
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[Publications] Maehama T,Asato T,Kanazawa K: "Prevalence of HPV infection in cervical cytology-normal women in Okinawa, Japan, as determined by a polymerase chain reaction."International Journal of Gynecology Obstetrics. 69. 175-176 (2000)