2000 Fiscal Year Annual Research Report
加齢による末梢血免疫担当細胞でのエストロゲン受容体の質的量的変化に関する研究
Project/Area Number |
12671623
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
本庄 英雄 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30110852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 尚也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50271169)
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Keywords | エストロゲン受容体 / リンパ球 |
Research Abstract |
現在までにエストロゲン環境の異なる3群;正常月経周期群(n=42)、妊婦群(n=36)、閉経後群(n=36)について患者同意の下に採血し、末梢全血よりパーコール法にてリンパ球を分離し、total RNAを抽出し定量的RT-PCR法により、wile typeについてはERα、βそれぞれexon2-7までをPCR増幅領域として定量し、ERαについてはexon3,4,5,7,ERβについてはexon5をそれぞれ欠失しているmRNAをも個別に定量した。その結果,末梢リンパ球でER mRNAの発現をみとめ、子宮内膜、子宮筋層、脂肪組織などと比べてexon欠失ER mRNAの発現量が極めて低く、またその検出率も全症例にて0〜22%と極めて低い特徴的な発現パターンを示した。またエストロゲン環境の変化や、年齢に伴う変化も認めなかった。一方wild typeの検出率は全症例でERα 82%、ERβ 43%であり、ERαの発現比率が有意に高かった。しかしその発現量はERα10^<-6>〜10^<-5>、ERβ10^<-4>〜10^<-2> copy/β actin copyでありER β wild typeの発現量が有意に高かった。またERβを発現している症例ではすべてERαを同時に発現していた。しかし3群間でERα ERβの発現比率、発現量についてエストロゲン内分泌環境の変化あるいは年齢変化を反映した有意な差は現在のところ認めていない。末梢リンパ球がエストロゲン反応性を有している可能性がその受容体mRNAの発現より明らかとなったが、その反応性を受容体レベルにて制御している因子について、また疾病との関係について現在症例数を増やし検討を進めている。
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