2000 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜及び脱落膜におけるインターロイキン-1転換酵素/Caspase-1の検討
Project/Area Number |
12671626
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
石原 理 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (70176212)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 正博 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50225736)
|
Keywords | ICE / IL-1 / COX-2 / PG / 子宮内膜 / 脱落膜 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画にもとづき、本人の同意のもとに、月経周期各時期の子宮内膜と、陣痛発来前の予定帝王切開および正常分娩時に、胎盤より脱落膜組織を採取した。これらの組織をPBSにて洗滌後、パラフィン包埋し、HE染色による組織学的検索をおこなった。 また、ICE蛋白についての免疫組織化学的検討、およびICEプローベを用いたISHに備え、これら各種のサンプルの集積を行なった。 一方、設備導入が遅れ、予定していた基礎研究が大幅に遅延したため、インターロイキン(IL)-1により調節される誘導型サイクロオキシゲナーゼ(COX)-2について、臨床研究をおこなった。まず、比較的にCOX-2選択性の高いNSAIDであるエトドラクが、子宮内膜におけるプロスタグランジン(PG)産生へどのように影響するか評価するため、強い腰痛や腹痛を主訴とする子宮内膜症および原発性月経困難症症例に投与した。 この結果、原発性月経困難症症例における腰痛など疼痛に対して、COX-2特異的阻害剤は、非特異的COX阻害剤と比較して著明な効果を呈した。一方、対照的に、子宮内膜症症例においては、COX-2阻害剤の効果に限界がある可能性が示唆された。すなわち、これら二つの代表的な病態における疼痛のメカニズムに、PG産生調節機構を含めて、相違の有る可能性が考えられた。 次年度は、本年度に予定していた基礎研究を中心として、研究の進展が得られる予定である。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Ishihara O.,Saitoh M. et al.: "Failure of embryo implantation successfully treated with low dose prednisolone in patients with Sjogren syndrome."Fertil.Steril.. 74(in press). (2001)
-
[Publications] Baba K.,Ishihara O. et al.: "Where does the embryo implant after embryo transfer in humans?"Fertil.Steril.. 73. 123-125 (2000)
-
[Publications] 石原理,斎藤正博 ら: "Controlled Ovarian Hyperstimulation療法の実際とその限界"産婦人科の実際. 49. 1225-1232 (2000)
-
[Publications] 斎藤正博,石原理 ら: "Controlled Ovarian Hyperstimulationにおける GnRH agonist除放製剤の有用性について"日本不妊学会雑誌. 45. 95-100 (2000)
-
[Publications] 斎藤正博,石原理 ら: "不妊治療後に発症した子宮外妊娠に関連する因子の検討"日本不妊学会雑誌. 45. 49-54 (2000)
-
[Publications] 伊東宗毅,石原理,斎藤正博 ら: "PCOS症例に対するゴナドトロピン製剤初期投与量についての検討"日本不妊学会雑誌. 45. 67-72 (2000)
-
[Publications] 石原理,木下勝之(分担執筆): "COX-2の理論と実証-基礎と臨床"メジカルレビュー社. (2000)
-
[Publications] 石原理,木下勝之(分担執筆): "新女性医学体系 第18巻思春期医学"中山書店. 436 (2000)