2001 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜及び脱落膜におけるインターロイキン―1転換酵素/Caspase-1の検討
Project/Area Number |
12671626
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
石原 理 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (70176212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 正博 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50225736)
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Keywords | ICE / IL-1 / COX-2 / PG / 子宮内膜 / 脱落膜 / シェーグレン症候群 / 着床障害 |
Research Abstract |
体外受精が臨床応用されてから、既に20年以上が経過したが、その成績はいまだに満足できるものではなく、着床機構の解明が不十分であることが、その理由の一つと考えられている。我々は、原因不明の着床障害に関連する病態の一つとして、体外受精胚移植症例において反復して着床障害をきたす例の中に、Sjogren症候群が少なからず存在することを発見した。また、これらの症例についてSjogren症候群を治療することが、着床障害の治療につながることが明らかとなった。従来、同症候群は、中高年婦人に多発すると考えられており、妊娠成立などとの関連は指摘されていなかった。 Sjogren症候群の病態については不明な点が多いが、耳下腺、顎下腺など全身の外分泌腺が、免疫学的異常に起因するアポトーシスにより、機能不全に陥ることが、その病態の主たる部分であると考えられている。すなわち、ドライアイや口腔の乾燥感、膣の乾燥感などがその症状として、特徴的である。したがって、子宮内膜においても、これら外分泌腺の機能障害と同様に、子宮内膜腺の機能が障害ることにより、着床障害となる可能性が考えられる。 そこで、我々はSjogrenn症候群と診断された不妊症症例から子宮内膜組織を採取し、凍結保存を行った。子宮内膜において、他の外分泌腺と同様に、アポトーシスが起こっている可能性を考慮し、リンパ球の浸潤、Fas/FasL系、あるいはCaspaseの発現などについて検討することが、その病態を明らかにする上で重要であろうと考え、現在検討中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ishihara 0., Saitoh M.et al.: "Failure of embryo implantation successfully treated with low dose prednisolone in patients with Sjogren syndrome"Fertility and Sterility. 75(3). 640-641 (2001)
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[Publications] 斉藤正博, 石原理: "原因不明の着床障害症例に含まれるシェーグレン症候群の治療意義について"日本受精着床学会雑誌. 18(1). 137-140 (2001)
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[Publications] 石原理, 伊東宗毅, 斉藤正博: "多胎妊娠防止のための二胚移植とその限界"産婦人科の実際. 51(2). 261-266 (2002)
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[Publications] 石原理, 臼井真由美: "不妊とプロスタグランジン"産婦人科の実際. 53増刊号. 144-148 (2001)
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[Publications] 石原理, 臼井真由美: "プロスタグランジン"周産期医学. 31増刊号. 220-221 (2001)
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[Publications] 石原理: "シェーグレン症候群と着床障害"リウマチ科. 26(1). 29-34 (2001)
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[Publications] 石原理(分担執筆): "不妊カウンセリングマニュアル"メジカルビュー社. (2001)