2001 Fiscal Year Annual Research Report
母子間免疫系細胞移動の遺伝子による証明と生物学的意義
Project/Area Number |
12671636
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山口 宣夫 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10106916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 昌寿 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (30150759)
鈴木 信孝 金沢大学, 医学部, 助手 (60251930)
伊川 廣道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20124935)
亀井 勉 財)島根難病研究所, 主任研究員 (90233965)
宗 志平 金沢医科大学, 医学部, 助手 (80216572)
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Keywords | Gestation / materno-foetal relation / immune suppression / MHC-restriction / cell traffic / H-2 gene / DNA fingerprinting / PCR |
Research Abstract |
私達は妊娠直前または妊娠中に母マウスを免疫すると、仔動物の能動免疫が長期間(1/6生涯)且つ強力に抑制されることを報告してきた。抑制が強く認められたのは、綿羊赤血球及び卵白アルブミン等のTD抗原であった。仔に抑制を誘導する因子の解析では、抗原分子あるいは母親の移行抗体共に否定的であった。しかし、母仔共にCD4陽性のT細胞が関与していることが判明し報告してきた。さらに、仔における抗体産生抑制は、母親の主要組織適合抗原複合体(MHC)に拘束されることが明らかになっている。また、母親のTcellをcell-free状態とすると仔に抑制が成立せず、母親と仔の細胞の問にcognateな反応が必要であった。更には出生2〜8W後、仔の脾細胞中に母親に移入されたMHC発現リンパ球がFACScan法で検出された。これらの実験事実を総合すると母親の細胞が仔に移行して、定着することを示唆するものである。 平成13年度において、母子間リンパ系細胞の移行を証明するために以下の実験モデルの設定と遺伝子解析を行った。 母子間の遺伝子識別法として、H-2遺伝子をPCR法で増殖し、Fnu4HI制限酵素で切断して、RFLPパターンにより判定した。その結果、仔の脾臓中から調製された有核細胞中に母親型のH-2遺伝子の存在が示された。この様な細胞移行の追跡方法は雑種第1代では可能であったが、雑種第2代では検出限界を超えていた。このことは、生物学的に意義のある現象として捉えることが可能であり、単に実験系における遺伝子混雑(contamination)の可能性を排除できると考えている。
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