2000 Fiscal Year Annual Research Report
外有毛細胞膜内粒子の多様性とエネルギー伝達の原子間力顕微鏡による直接的解析
Project/Area Number |
12671646
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
欠畑 誠治 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90261619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 卓二 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10282097)
大島 猛史 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40241608)
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Keywords | 蝸牛外有毛細胞 / 運動能 / 細胞長変化 / stiffness / 原子間力顕微鏡 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
モルモット蝸牛より単離した外有毛細胞を用いて、以下の如き結果を得た。 1.外有毛細胞は、細胞内外の浸透圧差によってその細胞長を変化させることが知られている。直径0.75μmの微小球を単離外有毛細胞に付着させ、低浸透圧の細胞外液で還流し長軸方向の細胞長変化を測定した。 2.微小球が10個前後付着した細胞を用いた。低浸透圧の細胞外液の還流で約5%の細胞長の変化を生じた。 3.細胞の基底部から頂部にかけての細胞長変化を、微小球の位置の変位として測定したところ、基底部から変異点までは細胞長変化はコンスタントであったが、変異点より頂部では無変化であった。 4.細胞長を1と基準化すると、変異点は基底部から0.88±0.045(平均±標準偏差;n=10)の位置であった(細胞長は53.92μmから80.67μmの細胞を用いた)。 5.基底部から変異点までの微小球の位置変化を直線でフィットしてみると、得られた回帰曲線の相関係数は0.982から0.997であった。 6.以上より、細胞内外の浸透圧差が細胞壁に均等に作用すると仮定すると、長軸方向のstiffnessは基底部から変異点まではコンスタントであることが示唆された。更に、頂部より変異点までのstiffnessは他の部より大きいことがわかった。 7.原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)を用いて外有毛細胞の細胞骨格を調べてみた。長軸方向に周期的に現れるフィラメントを認めた。その間隔は49±18nm(平均±標準偏差)であった。 8.今後、AFMを用いてこの構造の詳細な検討を行う予定である。
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