2000 Fiscal Year Annual Research Report
病的声帯における振動部緊張度と振動部質量の関係:振動モデルでの検討
Project/Area Number |
12671661
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
北嶋 和智 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10108996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山名 高世 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90314161)
片岡 英幸 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00224436)
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Keywords | 音声基本周波数 / 輪状甲状筋 / 甲状披裂筋 / 振動モデル / 声門下圧 |
Research Abstract |
振動モデル1号に、空気注入実験をおこなった。 方法:モデルの振動部(このモデルでは左右は独立していない)に空気を注入して、注入量(ml)と振動数(Fo)および単位送気圧あたりのFoの変化分(dF/dP)との関係を調べた。 結果を以下に記す。1.空気注入量とFoは正の相関を示す。2.振動部の伸張とFoは正の相関を示す。3.振動部の伸張の方がFoに対する効果が大きい。4.空気注入量とdF/dpは負の相関を示す。4.振動部の伸張とdF/dPは負の相関を示す。5.空気注入量の方がdF/dPに対する効果が大きい。 以上の結果からの結論として 1.Foを上昇させる主役は、振動部の伸張である。 2.dF/dPを減少させる主役は、振動部の空気注入量である。 人がFoを上昇させる時は、地声の範囲内では、輪状甲状筋と甲状披裂筋とがほぼ平行して活動を増強させる。前者の筋は声帯の伸張、後者の筋は等長性に声帯の緊張を増加することによってFoを上昇させる。 振動モデルでの結果を人の声帯に当てはめると、dF/dPの減少は、「声帯の伸張効果の効果よりも甲状披裂筋による等長性の緊張増加の効果が大きい」との仮説を立てることが出来る。13年度は材質を変えた複数のモデルで以上の追試を行う。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazunari Tanaka,Kazutomo Kitajima: "Relationship between Transglottal Pressure and Fundamental Frequency of Phonation"Annals of Otology, Rhinology & Laryngology. (in press).
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[Publications] Kenichi Kataoka,Kazutomo Kitajima: "Effects of Length and Depth of Vibration of the Vocal Folds on the Relationship between Transglottal Pressure and Fundamental Frequency of Phonation in Canine Larynges"Annals of Otology, Rhinology & Laryngology. (in press).
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[Publications] Hideyuki Kataoka,Shigehiro Owaki,Kazutomo Kitajima: "Effects of Transglottal Pressure on Fundamental Frequency of Phonation : Study with Rubber Model"Annals of Otology, Rhinology & Laryngology. 110巻1号. 56-62 (2001)