2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスの眼球運動とその際の神経活動解析で行うめまい・平衡障害の研究
Project/Area Number |
12671662
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷部 誠司 京都大学, 医学研究科, 助手 (40293873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 丈夫 京都大学, 理学研究科, 教授 (50181178)
村井 紀彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (30324627)
内藤 泰 京都大学, 医学研究科, 講師 (70217628)
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Keywords | 前庭眼反射 / 視運動性眼振 / 遺伝子欠損マウス / 適応 |
Research Abstract |
グルタミンレセプター遺伝子欠損マウスの前庭眼反射の適応の定量を行ったが、個体間、試行間の偏差が著しく、適切なデータが得られないことが判明した。その後、野生型マウスにおいても、やはり同様の困難が生じる場合があることが分かった。そこで、再現性のあるデータを得るための刺激条件を設定するべく、これまで理学部内にしかなかったターンテーブルを医学部内にも新設して、より短期間に最適な刺激条件を見つけられるよう実験を行い成果を得た。医学部内のターンテーブルでは、モータ駆動システム、眼球運動取り込みソフトウェアを新型とし、より正確な評価が可能となった。 他方、別の種類の小脳障害を有する遺伝子欠損マウスとして、bHLH型転写因子の遺伝子欠損マウスを材料とすることが可能か、その内耳、視覚、中枢神経系等について形態的観察を行ったところ、本研究の対象として採用可能であることが分かった。 臨床的応用については、オリーブ橋小脳萎縮症、多系統萎縮症、小脳腫瘍などの、小脳障害を有するヒトにおいて、本研究での眼球運動解析装置の原理を応用した装置を使用して、手動振り子様回転検査中の前庭眼反射の固視抑制量を定量的に解析することにより、その小脳障害を極めて明確に定量することができ、治療効果の判定、早期診断に有効であることが分かった。これについて、Association for Research in Otolaryngology 2001 Midwinter Meeting、第59回日本めまい平衡医学会などで報告し、論文を執筆した(投稿中)。
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