2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671670
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
古田 浩 香川医科大学, 医学部, 助教授 (90209180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 理恵子 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20304602)
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Keywords | ラット / 蝸牛 / DNAチップ / 聴覚 |
Research Abstract |
本年度においては、課題のための予備実験を行った。現在、ラットの蝸牛における遺伝子発現を、DNAチップ法を用いて解析を進めている。ラットは出生直後は聾であり、生後2週間ほどで聴覚が完成する。この生後2週間が聴覚が機能的に完成する時期であることから、この直前に発現量の増える遺伝子は蝸牛の聴覚機能に直接関与していることが考えられる。今回用いたDNAチップ法は、多くの遺伝子が一度に分析可能な点が最大の利点である。 まず出生直後、ならびに生後8日目のラット蝸牛をそれぞれ10匹分摘出し、液体窒素にて凍結した。凍結した臓器から常法に従ってmRNAを抽出・精製した。このmRNAを用いて放射線標識のcDNAプローブを作成した。あらかじめ千種類程度以上の遺伝子cDNAをブロットしてあるメンブレンを用いて、これと先に述べた放射線標識のcDNAとハイブリダイゼーションを行った。それぞれのスポットにおける放射線の量をスキャンし、それぞれの遺伝子の出生直後ならびに生後8日における発現量の変化を定量的に判定した。 詳細な検討は現在進行中であるが、イオンチャンネル、神経伝達物質、レセプターなどを含めた多くの遺伝子が、この期間中に発現量を増していた。これらは蝸牛の成熟に必須の遺伝子である可能性が高い。 今後はin situハイブリダイゼーション法や、定量的なRT-PCRを用いて蝸牛における遺伝子発現様式を詳細に検討する予定である。
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Research Products
(1 results)