2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671671
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
竹内 俊二 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50188158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿木 章伸 高知医科大学, 医学部, 助手 (60243820)
安藤 元紀 高知医科大学, 医学部, 助手 (20222789)
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Keywords | 血管条 / 内リンパ直流電位 / 中間細胞 / カリウムチャネル / セシウム |
Research Abstract |
内リンパ直流電位(EP)に対する外リンパCs^+の影響 本研究では外リンパに投与したCs^+のEPに対する効果が、我々の提出したEPの産生に関するモデルで説明されうるか否かを検討した。 [1]モルモットをケタミン、ザイラジン筋注で麻酔し、蝸牛基底回転鼓室階骨壁に小孔をあけて外リンパ腔を灌流した。EPは第二回転から記録した。コントロール液の灌流でEP変化しないことを確認した後、Cs^+を30mM含む液で灌流した。Cs^+を30mM含む液に灌流液を切り替えるとEPは10分以内に95mVまで上昇したのち次の40分で25mVまで低下した。 [2]外リンパ中のCs^+がEPに与える影響が中間細胞を介する機序で説明しうるか否かを、モルモットから単離した中間細胞で検討した。パッチクランプ・ホウルセル法で、細胞内のCs^+が膜電位と膜電流に与える影響をしらべた。細胞内液の組成が135mM K^+の場合、内向きおよび外向きのK^+電流が観察された。細胞内液の組成が135mM Cs^+の場合、外向き電流はほぼ完全に抑制された。細胞内液がK^+とCs^+両者を含む場合、細胞内Cs^+濃度に応じて外向き電流が抑制された。膜電位も細胞内Cs^+濃度に応じて脱分極した。 外リンパ中のCs^+がEPに影響を与える場合、Cs^+の作用する解剖学的構造として血管条のほかにコルチ器も考慮する必要がある。Cs^+を含む液に切り替えて10分以内にみられた一過性のEP上昇はBa^<2+>を含む液で外リンパ灌流を行った場合と同じく、コルチ器を構成する有毛細胞等の基底側膜に存在するK^+チャネルが抑制されることによると考えた。これに引き続くEPの低下はCs^+の血管条に対する作用の可能性が高い。一般にCs^+はNa^+-K^+-ATPaseによって細胞内へ輸送されることが知られている。したがって外リンパ中のCs^+がラセン靭帯繊維細胞のNa^+-K^+-ATPaseによって細胞内へ取り込まれ、ギャップ結合を介して中間細胞へと運ばれて細胞内からK^+チャネルを抑制する結果、膜電位の脱分極を起こし、これがEPの低下として観察されると考えた。
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Research Products
(1 results)