2000 Fiscal Year Annual Research Report
前後方向の直線運動により誘発される眼球運動の中枢神経機構の解明
Project/Area Number |
12671677
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
和田 佳郎 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80240810)
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Keywords | 前後方向 / 直線運動 / 眼球運動 / 前庭覚 / 視覚 / 固視 |
Research Abstract |
平成12年度の研究目標である"前後方向の直線運動による眼球運動測定システムの確立"について、その変更点と実施状況を報告する。 1、実験対象 申請時は実験対象を決定していなかったが、脳からのニューロン活動を測定する研究計画を考えていることから動物を対象とすることとした。また、実験上視標を固視する必要があることから下等動物では不可能であり、以上の点を総合的に判断してサルを実験対象とすることにした。 2、直線運動の条件設定 動物への苦痛や安全性を考慮して直線加速度は0.4g以下、刺激周波数は4Hz以下とした。眼球運動測定装置の物理的制約から直線運動移動距離は9cm以下とした。サルの固視持続時間に限界があるため刺激周波数は0.67Hz以上とした。以上の範囲内で予備実験を繰り返し、今回用いる直線運動条件は4Hz(移動距離:1.24cm、最大直線加速度:0.40g)、2Hz(2.74cm、0.22g)、1Hz(5.50cm、0.11g)、0.67Hz(8.54cm、0.08g)の4種類とした。 3、眼球運動測定装置の導入 サーチコイル法による左右の水平・垂直眼球運動測定装置にて直線運動中に安定してサルの眼球運動が測定できるシステムを構築した。当初、高周波数の直線運動条件で眼球運動記録にartifactが混入したが、眼球運動測定装置のコード類の揺れが原因であることが判明し、コード類の固定方法を改良することにより問題は解消した。 4、眼球運動解析システムの確立について 直線運動刺激装置からの位置信号、直線加速度信号と、眼球運動測定装置からの両眼球位置信号、およびLED視標の信号を眼球運動解析システムに取り込み、眼球運動解析システムを構築した。 現在、上記のとおり実験システムの構築をほぼ完了し、本実験を開始している。
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