2001 Fiscal Year Annual Research Report
オプティカルフローを利用した顔面神経麻痺の客観的評価法の開発
Project/Area Number |
12671681
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
國弘 幸伸 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10170010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 清嗣 (株)飛鳥インターナショナル, (研究職)代表取締役
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
神崎 仁 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051441)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / 評価法 / コンピュータ / オプティカルフロー / 客観的評価法 |
Research Abstract |
残念ながら完成には至らなかったが、本年度は主としてソフトウェアの開発に専念した。ビデオや撮影した画像のキャプチャーから解析までは、UNIX上ではほぼ半自動で行えるようになった。しかし、マッキントッシュのOSがUNIXをベースとするものにかわったのを機会に、ウィンドウズへ移植することを取りやめ、マッキントッシュへの移植に切り替えた。しかし、時間的、また資金的制約のため、この移植作業はまだ初期段階のままである。本解析法は臨床的にきわめて有用な方法と考えられるので、今後も引き続き開発を続けていきたいと考えている。 本解析法の問題点は、安静時の顔面の対称性の評価ができないということである。本解析法でできるのは、画素の移動つまり、顔面の動きだけである。しかし安静時の顔面の対称性の評価は、臨床的には極めて重要な事項である。この欠点を補うために、我々は新たに「輸郭抽出法」という解析方法を考案した。まだ、50%程度の患者でしか解析できないが、今後、この解析方法の開発も引き続き行っていく予定である。 ただ、臨床例の検討を更に進めた結果、我々の開発した方法を用いての解析結果が、我が国でもっとも普及している40点評価点数と極めて高い相関を示すことが明らかとなった。我々は、解析結果から40点評価法による評価点数への換算式を考案し、「Optical Flow Index(OFI)」と命名したが、このOFIと40点評価法との相関は0.98になった。きわめて高い相関であるといえる。昨年度中に行った、健常人と顔面神経麻痺患者での基礎データと総合して高察すると、オプティカルフローを利用した本解析法はきわめて優れた方法と考えられる。
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