2001 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭組織と男性ホルモン,その特異受容体と関連遺伝子発現
Project/Area Number |
12671686
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
漆畑 保 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70130987)
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Keywords | 喉頭 / 男性ホルモンによる分化誘導 / 男性ホルモン誘導喉頭癌細胞死 / 去勢マウスの発症 / 担癌生体モデルの完全緩解 / 男性ホルモン受容体遺伝子変異 |
Research Abstract |
男性ホルモンが誘導する癌細胞死現象そして担癌生体(モデル)の延命・完全緩解の生命現象が存在する。 培養咽頭癌細胞が男性ホルモン(10^<-6>M>)により細胞死が誘導される。この細胞死現象は男性ホルモン受容体転写及び翻訳を抑制する特異アンチセンスオリゴの前処理によりこの細胞は死から免れる。このことから男性ホルモン誘導癌細胞死には男性ホルモン受容体遺伝子転写が必須であることを示す。この細胞は男性ホルモン受容体遺伝子に欠損遺伝子変異が存在した。(ホルモンと臨床:ステロイドホルモン研究の進歩,p150-154.1999)またこの細胞はアロマーゼ及びエストロゲン受容体遺伝子の転写能を有しエストロジェンへの代謝産物でも癌細胞死が誘導される(ホルモンと臨床19増刊号p181-191.2001)以上はin vitro系の研究であるためin vivoでの同様の検討の必要性から動物実験(C3H系マウス)を行った。副腎皮質腫瘍株において男性ホルモン誘導癌細胞死を見出された。男性ホルモン投与により癌細胞の縮小とともに担癌生体自体の活動減少が抑制され17例中15例に延命効果が、そのうち9例に完全緩解が認められた。さらに普遍性を高める目的からホルモン分泌調節機構破綻により生じるステロイド関連腫瘍をマウス(C3H)において作成し(顎下腺癌1、耳下腺癌1、乳癌1、肝癌1、副腎皮質腫瘍9例)、同系去勢マウスに移植後各癌細胞のステロイド感受性を検討した。(2001年度日本ステロイドホルモン学界で報告)、また現在進行中である。 この研究目的は、一つに性ホルモン受容体遺伝子を分子標的としたEBMに基づく新しい癌治療への一助として、そして遺伝子変異又は関連遺伝子を解明によりステロイド感受性癌の中から細胞死誘導が可能な検体を模索し治療指針の一助なる事を希望を含め見出すことにある。
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Research Products
(2 results)